9歳女児の提案で墓地にポストを設置 「天国の家族に思いを伝えたい」
書くことが癒やしに…。ポストには多くの手紙が入れられている。
亡くなった大事な人に、「大好き」という気持ちを知ってほしい。そう考えた女の子のアイデアが墓地のポスト設置につながったことを、『The Mirror』などイギリスのメディアが伝えた。
■大好きな祖父母の死
イギリスで暮らすマチルダ・ハンディちゃん(9)は、2017年に郵便局で働いていた祖母の死にショックを受けた。そして昨年には父方の祖父も死亡し、さらに深い悲しみに暮れることになったという。
「おじいちゃん、おばあちゃんと話がしたい」「でも天国にいるからそれは無理…」と思い悩んだマチルダちゃんは、せめて手紙を書いて天国に送りたいと思うようになった。
その思いを知った母親は、職場である火葬場の上司に相談。マチルダちゃんのように立ち直れずにいる人のために「ポストを設置してはどうか」と提案したところ、「素晴らしいアイデアだ」と受け入れられた。そこでさっそく古いポストを入手してペンキで白く塗り、墓地に設置することにした。
■最初の手紙に綴った思い
マチルダちゃんは記念となる最初の手紙に「天国に電話があったら、電話をかけるのにな。おじいちゃん、おばあちゃんの声を聞いて、どんな日を過ごしたのか伝えたいの」「でも電話がないから、悲しみを和らげるためにお手紙を書きます」「お返事は心の中で受け取るよ」などと書いた。
それから約2ヶ月。マチルダちゃんが投函した最初の手紙に続き、すでに100通以上もの手紙がポストに入れられている。
■多くのポストを設置へ
マチルダちゃんが考案したポストが多くの人の癒やしにつながったことを知った墓地の運営団体は、国中にある多くの墓地にポストを設置する方針を固めたという。
「より多くのみなさんが私どもの美しい墓地に来てくださること、そしてポストに手紙を入れて癒やされますことを願っております」というコメントを発表している。
■「ゴミになる」の意見も
「私も死んだ人に手紙を書きたい」「きっと悲しみが癒える」という声も多く上がっているが、「でも手紙はゴミとして処理されるだけ」という人も少なくない。
しかし「焼いてリサイクルしてくれるなら別にいい」「煙になって天国に届くと解釈したらいい」という声も多いようだ。
なお「書く」という作業が癒やしにつながるという人は多く、トラウマ・PTSDなどからの回復にも役立つと言われている。墓地などへのポスト設置は、悲しみを抱える人たちの立ち直りにつながるかもしれない。
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(文/Sirabee 編集部・マローン 小原)