徐々に変化している韓国国民の対日意識? 日韓の友情関係は深まるか
竹島や慰安婦など日韓の間は多くの問題がある。しかし、中国や北朝鮮の脅威もあり、若い人たちを中心に対日意識が変化してきている。
昨年2月、ロシアがウクライナへ侵攻し、世界は大きな衝撃を受けたが、それまで経済分野で協力を強化してきた韓国とロシアの関係は一気に冷え込んだ。韓国は日本同様、欧米主導の対露制裁に踏み切っている。
■安全保障環境は日本と韓国も同じ
また、米中対立が高まり、台湾を巡る軍事的緊張も高まるなか、日本同様に台湾周辺をシーレーンとする韓国も経済、貿易上懸念を強めている。
こういったロシアや中国という権威主義国家の脅威により、韓国も日本と同じように安全保障環境の厳しさを痛感し、そこには同じ意識がある。
■現実を考える韓国国民
米中対立や台湾情勢、異例のペースでミサイル発射を続ける北朝鮮、ウクライナに侵攻したロシアなど、韓国を取り巻く安全保障情勢も厳しくなる中、韓国のシンクタンク「崔鍾賢学術院」が今月発表した統計によると、日本や米国との安全保障協力が可能と答えた回答者の71.9%に上り、可能ではないと回答した28.1%を大きく上回った。
この背景には、日韓の間で歴史問題や領土問題があるものの、韓国の安全保障という現実を考慮すれば、韓国としても日本との関係を安定、改善する必要があるとの考えが増えていることがある。
昨年5月に就任したユン大統領は、対北朝鮮で日本や米国との結束を強化する姿勢を鮮明にし、対中国でもNATOへの接近を図っている。今日、ユン大統領の支持率が高いわけではないが、この政策方針については「現実的に妥当だ」とする意見が若い世代を中心に多い印象を受ける。
■韓国文化が浸透する日本
当然ながら、全体的に見れば日本を良く思わない人々が多い。
しかし、今日これほどまでに韓国文化が日本でも当たり前となり、韓国Kポップの影響力は計り知れない。それと同じように政治や安全保障の領域でも、国際政治の変化とともに日韓接近が起こっている。
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(取材・文/セレソン 田中)