前立腺がんを患った男性の話し方が変化? 珍しい「外国語アクセント症候群」とは
行ったことのない国の言葉に口調が変化。未だ謎の多い症状に医師も驚きだ。
重い前立腺がんを患った男性が、突如「全くコントロールできない外国語訛り」で話すようになり、医師や周囲の人々を驚かせているという。『INSIDER』『Science Alert』などの海外メディアが報じた。
■突如アイルランド訛りに
アメリカ出身の50代の男性は、前立腺がんを患った20ヶ月後、自分がそれまでとは全く異なるトーンやパターンで話していることに気付いた。
診断したノースカロライナ州の医師によると、男性はアイルランド訛りで話しており、「外国語様アクセント症候群(Foreign accent syndrome:FAS)」を患っているという。
■アイルランドに行ったこともない
男性はそれまでにアイルランド訛りもなく、アイルランドを訪れたこともなかった。ただ、親戚や友人のなかにアイルランド人が何人かいたそうだ。
またがんの治療方法にも変わったところはなく、彼は最も一般的なタイプの前立腺がんと診断され、2種類のホルモン療法と放射線療法を受けてたという。
■脳卒中で起こりやすい?
男性が診断された「外国語様アクセント症候群」とは、音の強弱やリズム、イントネーションに異常が生じ、まるで外国語を話しているように聞こえる発話障害だ。
比較的珍しい症例であり、主に脳卒中によって引き起こされることが多い。医師の報告では前立腺がんの患者が、FASを発症したのは今回が初めてだという。
■進行プロセスは未解明
男性は自身のアイルランド訛りに気付いた3ヶ月後、がんが肝臓と骨に転移し、化学療法や放射線療法を受けたにもかかわらずホスピスで亡くなったという。
この症例は非常に稀だったため、医師たちは「これらの症候群がどのように進行するのか理解するために、さらなる研究が必要である」とコメントしている。
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(文/Sirabee 編集部・びやじま)