級友の冷血さに絶望し14歳少女が自殺 いじめっ子からの暴行被害を動画で配信され
今、在校生200人以上が自主的に休学し、いじめへの学校側のずさんな対応に抗議している。
アメリカの高校で、このほど1年生の女子生徒がいじめを苦に自殺した。彼女を絶望させたのは、その直前にインターネットで見た1本の動画だった。
いじめっ子ばかりか、周囲の生徒たちの冷酷さも死に追い詰めていたという事実を、『CBS News』『abc News』『NBC News』ほか全米のメディアが報じている。
■廊下で暴行を受ける
ニュージャージー州オーシャン郡のバークレー・タウンシップに暮らしていたエイドリアナ・クーチさん(14)が、3日に自宅の寝室で自ら命を絶った。
セントラル・リージョナル・ハイスクールの1年生だったエイドリアナさんは、1日に学校の廊下でいじめっ子グループに囲まれた。ボーイフレンドと一緒に歩いていたことに因縁をつけられ、そこから数十秒間にわたり殴る蹴るの暴力を受けたという。
■髪をつかんで引っ張り回される
公開された動画でエイドリアナさんは、いじめっ子グループに水のペットボトルで頭部を殴られ、髪をつかんで引っ張り回され、悲鳴を上げている。
20秒ほどのその動画を元に学校や教育委員会が調査を始め、警察は4人の少女を第三級暴行などの容疑で逮捕した。動画は何よりの動かぬ証拠だが、いじめは長年わたり執拗に続いていたとの証言も得られたという。
■周囲の残酷な態度が…
だが父親のマイケルさんは、メディアの取材に「娘はいじめには健気に耐えてきました。むしろ、周囲の残酷な態度が娘を絶望の淵に追い詰めたと思っています」と話す。
娘を助けるどころか、笑いながら携帯電話でその様子を録画し、動画をオンラインで配信して拡散させた者たちがいる。マイケルさんは「そうした状況に娘はプライドを引き裂かれ、生きる希望を失ってしまったのでしょう」と悔しさをにじませた。
■「学校は不誠実」と批判殺到
地元メディアの『abc7 News』によると、セントラル・リージョナル高校では事件の後、200人以上の在校生が自主的に休学。「この事件についての学校側の対応は悪質。もっと早く警察を呼ぶべきだった」などと抗議している。
ある保護者は「昨年4月、学校のカフェテリアにいた生徒がいじめっ子グループに襲われ、ひどい怪我で動けなくなったと聞いています」と説明。学校ではいじめが蔓延しているが、その対応は常に不誠実だったという。
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(文/Sirabee 編集部・浅野 ナオミ)