手に乗る木彫りのバンドウイルカが話題 リアルな仕上がりと温もりが両立する名作
実物のイルカを見て仕上げた木彫りイルカがネットで人気。本も出版した実力派の作家が木彫りの真髄を語る。
古くからのWindowsユーザーはご存知だろうが、かなり前のバージョンのMicrosoft Officeには使い方をガイドしてくれるイルカのカイル君というマスコットがいた。しかし、このカイル君がなかなかの曲者。知りたい事について正確に答えてくれる事はあまり無く、しかもかなり邪魔。そんな事もあってか、このイルカはいつの間にか姿を消している。
さて、ツイッターでは手に乗るサイズでも存在感たっぷりの木彫りのイルカが話題だ。
■なんとも言えない表情がキュート
「イルカの木彫りを作りました。バンドウイルカです」とツイートしたのは、ツイッターユーザーの川崎誠二さん。
川崎さんは木彫り作家として10年近くのキャリアを誇る人物。ツイートと同時に投稿された3枚の写真を見ると、今にも動き出しそうなリアルな造形のイルカが様々な角度から写されており、どれを取っても木彫りの温かみが伝わってくる極上の仕上がりとなっている。
■癒しのイルカに多くの「いいね」
この投稿に「かわいい」や「癒しの権化です」といった具合に、安らぎを求める人からの喜びの声が寄せられている。また「手に馴染みそうです。ちょっと手にとって撫でてまた置くような」と具体的なシーンを思い浮かべるコメントもあった。
■水族館に出向いて研究を重ねた作品
今回、快く取材を引き受けてくれた川崎さんに話を聞いた。
温もり溢れる木彫りのイルカについてこだわった所から聞くと「実際に水族館でイルカの様子を取材して制作しており、他の海洋生物のサメやセイウチなどと、似ている要素、違う要素も意識しています。具体的には口先の形や目の位置のバランスなど実物の要素をとりいれるようにしました」との回答が。
川崎さんの過去のツイートをみると動物をメインに据えて制作している様子だが、作品に込めるメッセージについて尋ねてみると「それぞれの生き物が持っている特徴を自分なりに観察して、可愛く表現するということを意識しています。また『木の塊から、生きているかのような存在感が生まれでてくる』ということも、おもしろいと思って作っています」と、求道者としての印象が強いコメントを寄せてくれたのが印象的であった。
川崎誠二さんの木彫りの作り方の書籍「川崎誠二の小さな木彫り」はこちら
同じく木彫りを原型にしたガチャガチャ「川崎誠二の木彫りの動物たち マスコットフィギュア2」はこちら