出生時DNA検査は義務化すべき? 賛成5割超えは30代男性だけでなく…
カッコウなどの習性にちなんで「托卵」と呼ばれる裏切り行為が話題に。それを避けるための親子鑑定は必要?
男性は、生物学的な構造上、産まれてきた子供が本当に自らの遺伝子を受け継いでいるか確認する手段がない。
現在NHKで放送されているドラマ『大奥』は男女の立場を逆転した歴史SFだが、本来江戸城にあった男子禁制の大奥は、将軍以外の成人男性が立ち入ることを禁じられていた。将軍家の後継者に間違いが起きることを避けようとするのも目的のひとつだ。
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■「後宮」は男子禁制
オスマン帝国などイスラム王朝に設けられたハレムは、現在では「酒池肉林」という意味で用いられるハーレムという言葉の由来。これもアラビア語で「禁じられた場所」を意味し、大奥と同様に皇帝以外の男性が立ち入ることは許されない。
中国王朝では、宦官と呼ばれる去勢された男性が後宮に仕えた。男性機能を奪われる代わりに、運と実力次第では破格の栄達を手にすることができたが、皇帝の妻たちがいる場に生殖機能を持つ男性が近づくことは、それほど禁忌だったのだ。
■始皇帝や豊臣秀頼も
それでも歴史上、出生が疑われる有名人は少なくない。人気漫画『キングダム』にも登場する秦の始皇帝(嬴政)の父は荘襄王だが、母・趙姫は、後に秦の宰相となる大商人・呂不韋が自らの愛人を献上したもの。そのため、始皇帝の実の父は呂不韋なのではないか、という説も。
日本では、長年子供に恵まれなかった豊臣秀吉の側室となり、立て続けに2人の子供を産んだ茶々(淀君)も疑われる一人だ。後に大坂夏の陣で徳川家康に滅ぼされる秀頼は秀吉の実子ではなく、茶々が大野治長など別の男性と作った子供なのではないか、といった説も根強い。
■「托卵」と呼ばれる行為
現代では、こうした行為はカッコウなどの習性にちなんで「托卵」と呼ばれる。自ら子供を育てられないカッコウは、オオヨシキリなどの巣に卵を産む。托卵された鳥は、そうとは知らず卵を温め、孵化した雛に餌を運んで育てる。
それになぞらえて、女性が夫ではない男性と性行為をして妊娠し、夫の子供として出産。血のつながっていない子供を育てさせる…という裏切りのことを言う。
こうした問題を避けるため、また子供の取り違えなどを避けるためにも、ソーシャルメディアなどでは時おり「出生時のDNA検査を義務化したほうがよいのではないか」といった主張が散見される。
出生前に胎児の染色体異常を検査するNIPT(新型出生前診断)などは徐々に普及しつつあるが、出生時の親子鑑定を含めたDNA検査について世間はどのように感じているのだろうか。
■4割が「義務化すべき」
Sirabee編集部が全国10〜60代男女1,000名を対象に調査したところ、全体の41.4%が「出生時のDNA検査を義務化すべき」と回答した。意外にも4割を超え、想像以上に高い割合となっている。
■30代男性では過半数に
男女年代別で見ると、興味深い傾向が表れた。「義務化すべき」と考える人の割合は、60代を除く全ての世代で、男性が女性を大きく上回り、これから結婚・出産を迎える人も多い30代男性が53.3%で最多となった。
5割を上回ったのは30代男性のみだが、男性の平均値は49.3%。女性が33.9%なのと比較するとかなり高い割合となっている。しかし、女性も3割以上が「義務化すべき」と考えているのもやや意外な印象だ。
60代女性だけ50.0%と大きく跳ね上がっているが、これは姑として「嫁の裏切り」を危惧した意見の可能性もありそうだ。
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(文/Sirabee 編集部・タカハシマコト)