10日は東京で雪? 繊細な関東の雪予報、最新見解を気象予報士が解説
10日の予想について、気象庁は「東京は雪のち雨」としているが、「雪時々曇」と予想している民間気象会社も。詳しい見解を気象予報士が解説する。
10日は関東平野部で雪が予想されています。降水確率は60〜80%で、何かしらは降りそうです。ポイントは雪になるか雨になるかですが、その鍵を握るのは「低気圧の位置」。最新の動向について、気象予報士の千種ゆり子が解説します。
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■10日 関東に雪マークがズラリ
10日の東京の予報は「雪のち雨」(7日11時気象庁発表)。マークで見ても、雪だるまが関東各地にズラリと並びます。
内陸部では雪だるまが傘を差しているマークですが、これは「曇り時々雪か雨」を表し、雨か雪どちらかといえば雪の可能性のほうが高いことを意味しています。
■降水確率は60〜80% 何かはほぼ確実に降る
関東の雪が外れるパターンの1つに、低気圧の位置が南に離れすぎたり低気圧が弱すぎたりして、降水域が全くかからないために何も降らない、というパターンがあります。先月はこのパターンでした。
しかし、今回は違います。低気圧がそれなりにしっかりしていて本州にも近いので、何かしらは降りそうです。それは降水確率が60~80%と高いことからも判断できます。
■雪か雨か? 鍵を握る低気圧の位置
低気圧がしっかりしているので何かしらは降りそうですが、それが雪なのか雨なのかを左右するのが、低気圧の位置です。
低気圧は暖気と寒気の境目にできるので、低気圧の位置が南であれば、東京まで暖気が届かず寒気優勢となり、雪が降りやすくなります(左)。
一方、低気圧が北にいくと、東京は暖気に覆われ雨になります(右)。
天気予報のベースとなるコンピューターの計算結果は定期的に配信されますが、1日前の予測と、低気圧の位置を比べてみましょう。
少しだけですが、低気圧の位置が北に上がったことがわかります。
■現時点ではコンピューターは「雪のち雨」と計算
以上のような理由で、7日現在、コンピューターは以下のような予測となっています。東京など首都圏では、はじめ雪ですが、低気圧が進むにしたがって暖気が入り、次第に沿岸部を中心に雨に変わる予想です。
栃木や群馬など内陸ほど終始雪の可能性が高いですし、低気圧の位置の変化によっては東京で終始雪となるおそれもあります。今の予測精度では、低気圧の微妙な位置の予測は当日まで変わることもあるのが現状です。雪の可能性もにらみつつ、予定を立ててていただけたらと思います。
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(取材・文/千種ゆり子)