炎上する“スシローペロペロ事件” 弁護士は「損害賠償請求が考えられる」と分析
スシローで発生した客による悪質なイタズラ行為。“犯人”はどう裁かれるのか、そして損害賠償は…。
大手寿司チェーン・スシローで起きてしまった“バカッター騒動”。ネットではイタズラをした男性客に対し、「訴訟を起こして損害賠償求めればいい」「多額の賠償金を親が払わされるんだろうな」と厳しい声が上がり続けているが、法律の専門家は今回の騒動をどう見たのか。
■スシローで起きた騒動
スシロー店内で醤油さしを手にキョロキョロ周りを見回す若い金髪の男性客。
友人と思われる人物が撮影していた動画には、その後金髪男性が醤油さしの注ぎ口にしゃぶりつく行為、さらには棚にあった湯呑を舐め回し元の棚に戻す行為、加えてレーン上のにぎり寿司に唾をつける行為が確認できる。
イタズラを終えた金髪男性はカメラに向かって悪びれる様子もなく笑顔でサムズアップ。この動画がSNSにアップされるとまたたく間に拡散され、大炎上した。
■スシローは「警察と相談」
まさに稚拙な悪ふざけ動画。ネット上では男を批判する声と共に「回転寿司離れが起きないことを祈ります」「スシローさすがにかわいそう」「馬鹿者がしょーも無い事した為にとてつもない損害」と同社を思いやる声が次々上がっている。
一方で、「賠償金払う人生送らねばなるまい」「損害賠償請求は高額になるだろうな」とスシロー側の動きを注視する声も散見。炎上はいまもなお続いている。
現にスシローは30日、「SNSで拡散されたスシロー店舗での迷惑⾏為について」というタイトルの文書を公式HPに掲出。「早急に警察と相談させていただきながら刑事⺠事の両⾯から厳正に対処してまいります」と“犯人”を厳しく追及する方針を明らかにした。
■器物損壊、業務妨害の可能性
先日も大手コンビニバイトスタッフによる「商品つまみ食い」動画が炎上した。後先考えずイタズラ行為をSNS上で公開する若者の「バカッター」行為は、果たしてどう裁かれるのだろうか。少年事件などを幅広く担当し、ネット上でのトラブルにも詳しいレイ法律事務所の舟橋和宏弁護士に話を聞いた。
舟橋弁護士は、これらバカッター行為は刑法で定められたれっきとした犯罪になりうると説明。
「迷惑行為による事件は、バイトテロ・迷惑系YouTuberなど枚挙にいとまがありませんが、まず刑事上の責任として、醤油ボトルを舐めるなどといった行為が器物損壊罪、業務妨害罪にあたることが考えられます。過去にバイトテロの件ですが、偽計業務妨害で書類送検されたケースもあります」(舟橋弁護士)。
■過去には約1,400万円の請求も
損害賠償については、「民事上の責任としては、店舗に生じた損害賠償を請求されるということが考えられます。この場合、損害としては交換することになったであろう醤油ボトルの代金もそうですが、消毒・清掃にかかった費用であるとか、場合によっては店舗の信用が損なわれたことを損害として認定した例もあります」と分析する。
2013年、都内蕎麦店でアルバイト店員が起こしたバカッター行為ではその後店が閉店、倒産。食洗機に入り込むなどイタズラ動画をアップしたアルバイト4人に対し店側は1,385万円を請求し、200万円の和解金で決着したケースが報じられている。損害賠償金は被害の大きさに関係することもあり、具体的な金額を算出することは難しいものの、些細な悪ふざけが特大ブーメランになって戻ってくることは間違いない。
「このように刑事・民事の責任がありえるところですが、それだけでなくやった人間自体、特定されるなどし、インターネット上にいつまでもデジタルタトゥーとして氏名・顔写真など残ってしまうことが多くみられます。そういった点からもこういった迷惑行為が起きないことを願うばかりです」と舟橋弁護士。いつになったらバカッター行為がない時代が訪れるのだろうか…。
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(取材・文/Sirabee 編集部・キモカメコ 佐藤)