かくれんぼで少年が貨物コンテナに入り込み… 3000キロ以上離れた別の国で救出
発見があと数日遅くれていたら、少年は助からなかっただろう。安堵の声の他に「奇跡」という声も。
子供たちが大好きな「かくれんぼ」。夢中になるあまり、公園を飛び出して近所の民家の敷地内に入り、叱られるという子もいるだろう。そんなかくれんぼで、思わぬ体験をしてしまった少年がインドにいることを、『Indiatimes』やバングラデシュの『NEW AGE』などが報じた。
■人身売買かと騒動に
17日、マレーシア・セランゴール州に位置する国内最大の貿易港であるクラン港に、バングラデシュから1隻の輸送用コンテナ船が到着した。作業員たちがコンテナを降ろしていると、そのひとつに潜んでいた1人の少年が発見された。
現地のマレー語で少年に話しかけるも、言葉が通じず慌てた作業員たち。そのうち人身売買を疑いはじめ、責任者が当局に通報したという。
■友人とかくれんぼ
少年はひどく痩せこけており、すぐに病院へ搬送。警察が聞き取り調査をすると、彼はバングラデシュのチッタゴンに住む、15歳のファヒムくんという少年であることが判明した。
ファヒムくんは、地元の友達とかくれんぼをしていてコンテナを見付けたといい、「ここなら見つからないだろう」と思って身を潜めた。しかしいくら待っても鬼役の友人が現れず、次第に眠りに落ちてしまったことを説明したという。
■6日間飲まず食わず
少年を載せたコンテナは港に運ばれ、船に積まれるとチッタゴン港を出港。ファヒムくんは叫んだりして助けを求めたが、周囲は非常に騒々しく、17日にマレーシアに到着するまで発見されることはなかった。
真っ暗なコンテナに飲まず食わずで6日間も閉じ込められ、それでも生き延びたファヒムくんに対しては「奇跡だ」と驚きの声もあがっている。体調の回復を待って、近々ファヒムくんはバングラデシュに帰国する予定だ。
■昨年には腐敗遺体も
似たようなケースは昨年にも発生。同じくチッタゴン港を出港し、10月15日にマレーシアのペナン島に到着したコンテナ船から1体の腐敗した遺体が見つかった。
9日間もコンテナ内に閉じ込められていたと考えられ、身元も不明で詳細がつかめないまま。しかし警察は当時、「恐らく人身売買の犠牲者である可能性が高い」と発表していた。
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(文/Sirabee 編集部・桜田 ルイ)