防衛費増額のための増税は仕方ない? 意見は真っ二つだが男女差も
今年度から1.4兆円増となる2023年度の防衛費予算。今後GDP比2%まで増える計画だが財源の課題も…。
ロシアのウクライナ侵攻や北朝鮮のたび重なる弾道ミサイル発射など、風雲急を告げる国際情勢。日本は、北方領土や竹島、尖閣諸島で周辺国と領土問題を抱えるだけでなく、中国の台湾への武力行使も懸念されており、対岸の火事と眺めてはいられない状況だ。
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■ドイツは国防費を大幅増
北大西洋条約機構(NATO)加盟国には、国防費を国内総生産(GDP)の2%程度にするという基準がある。これは各国が軍事力を分担して安全保障に備えるためのものだが、ヨーロッパ随一の経済大国であるドイツの国防費は、長らく日本と同じくGDP比1%台で推移してきた。
しかし、ウクライナ侵攻を受けて方針を転換。2%の目標達成のため、昨年6月にはおよそ14兆円の特別基金を設ける法案が、連邦議会で可決されている。
こうした流れを受け、国内でも防衛費増額に向けた動きが加速。2023年度予算案では6兆8,219億円と、今年度より1兆4,000億円あまり上積みされ、およそ1.3倍の大幅増となった。また、今後5年間では総額で約43兆円、27年度にはGDP比で2%まで増加する計画だ。
■「認められない」が過半数だが
支出を増やすためには当然、財源が必要。政府与党は昨年末、防衛費の増額分について1/4は法人税などの増税で、残りの3/4は歳出改革によって捻出する方針を決定したが、企業には賃上げなどの負担も求められている状況で、反対の声も根強い。
Sirabee編集部が、全国10〜60代男女1,000名を対象に調査したところ、「防衛費増額のための増税は認められない」と回答した人が51.2%とわずかに過半数に。しかし、「増税も仕方ない」と答えた人も48.8%に及び、国論が真っ二つに割れていることがわかる。
■女性は拒否感も
男女・年代別で見てみると、60代を除く全ての世代で、男性よりも女性のほうが防衛費増のための増税には拒否感が強いことがわかる。10〜20代と50代の女性では6割近くが「認められない」との回答だ。
男性では60代で「認められない派」が64.3%と突出。しかし、10代から40代まではむしろ容認派が過半数となっている。
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(文/Sirabee 編集部・タカハシマコト)