「数年に一度レベルの寒波」襲来で極寒いつから? 全国的に雪にも警戒
今週末から来週にかけては関東平野部でも雪の予報が出ていた。最新の見解は? 記録的な寒気についても解説。
今週末から来週にかけては、数年に一度レベルの寒気が流れ込み、全国的に極寒、日本海側では大雪に警戒が必要です。関東地方では雪の予報も出ていましたが、最新の見解を気象予報士の千種ゆり子が解説します。
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■23日低気圧通過 関東平野部で雪?
気象庁がきのう(18日)に発表した週間予報では、23日の関東平野部に雪マークがついていましたが、きょう(19日)11時の予報では雨マークに戻っています。予報が変わりやすくなっていて、まだ定まっていないといえるでしょう。
「いつになったら予報が定まるんですか?」とよく聞かれますが、正直に答えると「当日、降り出した時」です。それって予報なの?と言われても仕方ありません(降り出した最初の1~2時間の様子を見てそのあと半日の予報をしているので、一応予報はしているのですが)。
■予報のカギは「関東沖にできる小さな低気圧」
当日降り出してみるまで雨か雪かが定まらない理由、それは、「大きな低気圧の前にできる小さな低気圧」の予測を正確にしなければならないからです。
23日未明も、このように2つの低気圧が予想されていますが、関東沖にある小さな低気圧による降水がかかるかどうかがポイントです。現時点のコンピューターの計算では、23日の未明には、小さな低気圧の降水が陸地にはあまりかからない予想になっています。
しかし、小さな低気圧の降水が予想より広がった場合が大変。関東平野部で早めに雪が降り出すと、冷気が地表付近に溜め込まれてしまいます。すると、後続の大きな低気圧による降水も、雨で降るはずだったものが、冷気によって雪になるのです。
本来であれば、ここに上空の寒気の強さも関わってきます。関係する要素が多いため、降り出してみないとわからないというのが現状。23日は月曜日。万が一に備え、大雪になった時のために、シミュレーションしておくのが良いでしょう。
■23日午後~25日寒気流入 過去最強に匹敵か
上記の低気圧の通過後、数年に一度レベルの寒気が流れ込みます。この寒気の予測は、定まりつつあります。
上空1500m付近の気温を見ると、25日9時には福岡上空で-17.5℃、25日21時には東京上空で-14.3℃。もしこの通りになれば、1957年の観測開始以降で最強クラスです。強烈な寒気の影響で、最高気温が5℃以下となるところも多いです。極寒です。
■2018年1月には、都内でも水道管凍結が相次ぐ
直近の極端な寒さで思い出されるのが、2018年1月下旬。東京都心で48年ぶりの冷え込みとなる-4.0℃を観測しました。
東京都内では水道管凍結が相次ぎ、水道局の問い合わせ窓口には2,000件以上の問い合わせがありました。今のところそこまでの予想気温は出ていませんが、今後の予想でさらに低くなる可能性もあるので、今後の予報に注意が必要です。
■日本海側 大雪の警戒期間は「23日午後~26日午前」
23日午後以降、日本海側では断続的に大雪となります。いくつもの低気圧、JPCZ(日本海寒帯気団収束帯)などよって、九州から北海道まで広い範囲で大雪となりそうです。東海など太平洋側にも雪雲が流れ込む可能性があります。
どれくらい降るのか?いつがピークなのか?等の詳しい予報については、来週のことで、まだ詳しく予報できません。週末にもう一度、記事を確認することをおすすめします。
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(取材・文/千種ゆり子)