30代男性が告白、壮絶な自転車事故にショック 「ヘルメットを着けておけば…」
4月から努力義務化される自転車でのヘルメット着用。過去に事故に遭った人は重要性を口にして…。
4月から、自転車に乗るすべての人がヘルメットの着用を努力義務化される。ネット上では、ヘルメットを着けることに困惑する声も。だが、自転車で壮絶な事故を体験した男性は「絶対に着けたほうがいい」と強調しており…。
■4月1日から努力義務に
昨年12月20日、改正道路交通法に関連する政令が閣議決定された。これにより、今年4月1日から自転車に乗るすべての人にヘルメット着用が努力義務化されることになる。
従来の法律では13歳未満の子供を対象に、保護者がヘルメットを着用させることを促していたが、4月からはすべての年齢の人が対象になるということだ。その背景には、自転車での事故が相次いでいることが挙げられる。
■自転車事故で味わった恐怖
自らの安全を守るためとはいえ、慣れないヘルメットを被ることに抵抗のある人も多いだろう。だが、千葉県に住む30代男性のAさんは、「ヘルメットは絶対に着けたほうがいい」と強調する。
彼がそう話すのも無理はない。かつて、自転車で大きな事故を経験しているからだ。
Aさんが事故にあったのは中学生の頃。自転車で登下校していた時のことだ。彼が通っていた学校ではヘルメット着用が義務付けられていたという。
Aさんは事故当時のことを振り返る。「その日は、僕が友達の自転車の後ろに乗っていました。当時、”ヘルメットなんてカッコ悪い”という思いがあって2人とも着けていませんでした。2ケツして走っていたら、突然小学生が飛び出してきて、避けようとした弾みで2人共道路に放り出されました。友達はすり傷くらいで済んだのですが、僕は後頭部から思いっきり落ちてしまって…。意識を失くして、病院に運ばれたところ頭蓋骨が骨折していました」(Aさん)。
■「すべての人が着けたほうがいい」
そもそも、小学校就学の始期に達するまでの幼児を乗せる場合を除き、自転車での2人乗りは禁止されている。それを破り、学校から義務付けられていたヘルメット着用を怠ったAさんに非があるのは言うまでもない。
Aさんはその点は反省しつつ、ヘルメットの重要性を口にする。
「完治するまで3ヶ月くらいかかりました。あの時、もしヘルメットを被っていれば大事に至らなかったと思います。学校がヘルメットを着けるよう促していたのも、万が一に備えてのことだったのでしょう。事故に遭って以来、きちんと着けるようになりました。僕のような人が出ないために、カッコ悪い、面倒だと思わずすべての人がきちんと被ったほうがいいと思います」(前出・Aさん)。
■様々なタイプのヘルメットが
警視庁の過去3年間の統計によれば、自転車事故で死亡した人の約7割が頭に致命傷を負ったという。Aさんの例からも分かるように、ヘルメットを着けるか否かで運命を左右するといっても過言ではない。
ヘルメットと聞くと、「暑苦しい」「場所を取る」というイメージを抱く人も多いかもしれない。だが、最近は汗を逃がす空気の通り穴があるタイプや折りたためるタイプ、光を反射するリフレクターが付いたタイプなど、種類も豊富で自分好みのものを選ぶことができる。
「自分は大丈夫」と思わず、自転車に乗る際はヘルメットを着けて安全な走行を心がけてほしい。
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(取材・文/Sirabee 編集部・斎藤聡人)