日本人観光客襲う物価高、そんな時意外にも「ドンキ」が救世主になった

【得する経済学】3年ぶりのハワイ旅行。アメリカのインフレの厳しさを感じる中、経済の知識を総動員して意外すぎる「安いお店」を見つけました。

2023/01/14 17:30

ハワイのマーケット

「はははは、笑っちゃうぐらい…物価が高いね」。

前回の話の続きです。クリスマス休暇でハワイに到着して、リベンジ消費で楽しむつもりが、なんか生活における基本の部分での出費が多すぎてだんだん涙が出そうになってきました。

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■感覚的に2.5倍の物価

スーパーで買った商品をチェックすると、じゃがいも一袋で830円、単四乾電池4本で520円、クッキーひと箱が400円といった価格で、なんてことない買い物を少ししただけで買い物総額が1万円を超えてしまいました。日本の感覚だと絶対に4,000円以内で収まるはずの量の買い物がコレです。

私は基本的に年末はハワイのコンドミニアムで一週間過ごすことにしています。キッチン付きのコンドに近所のスーパーで大量の食材を買いそろえたら、あとは海を見ながらだらだらと一年の疲れを癒すのが私流の心の傷の癒し方。ところが今年、コロナ禍の後で3年ぶりに訪れてみるとハワイの物価が何やら勝手が違うのです。

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■観光客減少で小売店は投資が鈍化

そもそもの話をしますと、日本と違って驚くほどたくさんのお店が閉店しています。コロナ禍で日本人観光客が激減したハワイでは仕方なかったのでしょうけれどもまるで別世界に来たような感覚です。そしてアメリカ経済が年率8%台という大幅なインフレに襲われた結果、以前のようなスーパーやドラッグストアでの安売りも影を潜めています。

これからワイキキに出かける日本の読者の皆さんのために現地の買い物事情の変化をお話しすると、食品スーパーのフードランドと、ドラッグストアのロングスドラッグの2つのお店は、かつてはワイキキ近辺の安いお店の代表格という感覚でしたが、この冬の価格帯を見る限り特売商品でも“それほど安くはないお店”に変貌。コンビニのABCストアはもともと安さよりは利便性がウリのお店なので価格水準はかなりお高めになっています。

このことは当たり前と言えば当たり前なのですけれど、お店が安売りをするというのは集客のための投資のようなもの。顧客が極端にいなくなったハワイの経済では会社として投資をする余力がなくなり、基本的には採算がとれるラインでしか商品を販売しなくなっているのです。


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■エブリデイロープライスのウォルマート

そこでこの物価高のワイキキ近辺であえて安い場所はというと、アラモアナショッピングセンターに隣接するウォルマートとターゲットがまだなんとか安さを保っています。日本で言えばイオンやヨーカドーに相当する大資本による大型スーパーです。

ただもう一か所、実は穴場的にウォルマートよりも安く商品が買える場所があります。それがドン・キホーテ。その理由はアメリカと日本の販売習慣の違いに秘密があります。


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■なぜドンキに最安商品があるのか? 驚愕の理由

ウォルマートのキャッチフレーズはエブリデイロープライス、つまり毎日同じように安いこと。言い換えると特売ではなく全体が平均的に安い売り方です。

一方のドンキは売り方が日本のスーパーと同じ特売主義。同じような商品の中に集客のために特別に安い商品を設定するのです。ここが日米の売り方の違い。ドンキは驚安のわくわくジャングルで、じっくり探すと売り場の中に、びっくりするほど安い商品が必ずあるのです。

豚肉の場合、売り場平均では重さ1ポンドあたり9$(100gあたり260円)ぐらいが相場のところ、特売の商品として1ポンド$4.99(100gあたり145円)の商品が混じっていました。りんごやブドウも売り場の中に必ず他の品種の半額のものが入っている。

日本食の豆腐もハワイでは3~4$とおおむねお高めの中でひとつだけ$1.99(約260円)と日本の価格とそれほど変わらない特売品が売っていました。

ということでこの冬休み、ハワイの物価高で途方に暮れてしまった日本人観光客の皆さん、「なんとか安く」と思ったらドンキに行ってみたらいいのではと思います。アラモアナショッピングセンターから徒歩10分。がんばれ!自分。


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■著者プロフィール

鈴木貴博

Sirabeeでは、経済の素朴な疑問に対して明快な解説をする経済評論家にして戦略コンサルタントの鈴木貴博(すずきたかひろ)さんの連載コラム【得する経済学】を公開しています。街角で見かけるお得な商品が「なぜお得なのか?」を毎回経済理論で解説する連載です。

今週は「アメリカのインフレ事情」現地報告の続編でした。

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(文/鈴木貴博

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