しまじろう公式ソング、全国のDJに衝撃与える 「真の英才教育」と話題に…

エモい気分で「しまじろう」の動画を観ていたら…。突如流れ出した音楽に、驚きの声が上がっているのだ。

2023/01/12 17:30

■ベネッセ、完全にノリノリである

現在ネット上で話題となっている楽曲は「じょうずにおもちゃを片づけよう」および、前出の「働くのりもの・機関車走る!のりものメドレー 」の2曲。

それぞれYouTubeの「しまじろうチャンネル」にて2022年1月、2月だが、じつは先駆けて、よりヒップホップ感マシマシな英語版動画が公開されていたのだ。

一連のクールすぎる楽曲はどのような経緯で誕生したのか尋ねたところ、こどもちゃれんじ担当者からは「これらの楽曲は英語の童謡をベースとした替え歌になっており、英語圏にも『しまじろう』を広げていきたいという思いから制作した『英語圏向け生活習慣ソング』になります」という回答が。

しまじろう

とにかく英語圏の人々に刺さる楽曲にしたかったようで「日本人の感性ベースでなく、アレンジに関しては現地の方々の文化向けにしよう、と考えていました」とも振り返っている。その結果、イギリスのロンドンにあるアニメーションスタジオに製作を委託し、件の「クールすぎるしまじろう」が爆誕したワケだ。

なお、製作会社からは「トラップビートでなく、UKハウスミュージックの影響を受けた楽曲になります。K-POPやトラップミュージックとの類似点を指摘する人もいますが、よりファンキーな童謡スタイルを作成することを目指しました」とのコメントが寄せられているので、楽曲を聴く際の参考にしてみてほしい。


関連記事:見取り図、シソンヌ・じろうのパチンコ愛に困惑 『牙狼』にハマり改名も…

■しまじろうの「歴史」に驚き…

続いてしまじろうの歴史について尋ねたところ、同キャラクターが誕生したのは88年の「こどもちゃれんじ」創刊時のことで、なんと記者としまじろうは「ほぼタメ」であることが明らかに。アニメシリーズが放送開始となったのは93年のため、今年で放送30周年を迎えるのだ。

担当者は「当時から幼児向け教材の中には、年齢に合わせて楽しく学べるよう映像、歌、踊りなどを取り入れており、この精神は現在まで脈々と受け継がれています」「子供達が繰り返し楽しめ、続けることができ、達成感を得られるもの、ということを念頭に製作しております」とも説明する。

こうした楽曲は当然「子供が楽しめるように」という点を重視しているほか、「お家の人も楽しめるように」「色々な人々に刺さるよう、多様性を重視するように」などの点にも配慮しており、担当者が「私たちは幼児教育のプロですが、音楽のプロフェッショナルではありません」「なので、楽曲を製作する際はなるべくプロの方々とコラボし、基本的に『自由に作曲頂く』ことが、子供達にクオリティの高い楽曲を提供することに繋がると考えております」とコメントを寄せてくれたのが印象的であった。

まさに話題の「ヒップホップしまじろう」は、そうしたポリシーの下で多くのユーザーの耳に届けられた「神楽曲」と言えるだろう。


関連記事:かまいたち濱家、デビュー曲が“イジリネタ化” 「思惑と違うことに…」

■現代のしまじろうの「進化」は他にも…

なお「かつてしまじろうに親しんでいた世代」が聞くと驚くような新要素は、話題の楽曲だけではない。

たとえば「こどもちゃれんじ」並びにしまじろうが誕生して25年の節目となる2012年には、レギュラーキャラクター・らむりんに代わり、新キャラクター・にゃっきいが登場。

しまじろう

昔ながらのしまじろうファンに大きな衝撃を与えた交代劇について、担当者は「キャラクター1人1人の設定を見直しつつ『これからの子ども像』を見据え、子供達に『各キャラクターの好きな部分』を見つけてもらえるよう、活動的・アクティブな要素を備えた新キャラクターを登場させました」と振り返っている。

「家族」が登場する長期アニメの中では「時代とのギャップ」を感じる描写や設定も珍しくないが、「しまじろう」アニメの中では、時代に合わせた細かいアップデートを行なっているのも特徴的である。

例えば、昔ながらの作品では母親キャラは専業主婦であることが多く、しまじろうの母親も専業主婦だったのだが…ここ数年の間に「ライター」の職に就いたというから驚きであった。まさかの同業者である。

母親が仕事で留守の間は父親がしまじろうたちの世話をする…といった具合に、令和の家族像が作中に落とし込まれているほか、21年の放送回では車椅子に乗った少女・あみりいが登場するなど、多様性と向き合っている点も非常に興味深い。

かつてアニメで「しまじろう」を観て育った世代の中には現在、我が子と一緒に「しまじろう」を観ている人もいるだろう。大人になってからも、時代に合わせて変化し、成長していくしまじろうから学ぶことは決して少なくないと、改めて実感した思いである。

・合わせて読みたい→見取り図、ファンクラブ開設を報告 「コンテンツ豪華」と歓喜の声も

(取材・文/Sirabee 編集部・秋山 はじめ

【Amazonセール情報】ココからチェック!