「ホームレスを救おう」は真っ赤な嘘 クラファン詐欺主犯の女に実刑判決
搾取した寄付金で豪遊した被告たち。出所後は返済のため必死に働くことになりそうだ。
アメリカで2017年、クラウドファンディングを悪用して募金への協力を呼び掛け、善意の人々から計5,300万円も集めた男女3名がその後に逮捕された。容疑を認めた主犯の女の裁判が結審したことを、『NEW YORK POST』『NBC News』などが報じている。
■クラファンにページを開設
事件の発端は2017年11月。ケイトリン・マクルーア被告が「助けてくれたホームレスのジョニー・ボビットさんに恩返しがしたい」とSNSに投稿したことだった。
そこには、「フィラデルフィア近郊の州間高速道路で車がガス欠を起こしたとき、ボビットさんはお金がなかった私に20ドル(約2,600円)をくれたのです」とつづられていた。
その後、マクルーア被告は「善良なボビットさんを救ってあげたい」と人々に金銭的支援を訴え、クラウドファンディングの『GoFundMe』にページを開設。
■ホームレスは真っ赤な嘘
マクルーア被告が開設した『GoFundMe』の話題はSNSで拡散し、メディアも取材。1万4,000を超える世界の人々が反応し、1ヶ月もかからず40万ドル(約5,300万円)以上が集まったという。
ところがボビットは単なる薬物中毒者で、2017年にカジノでマクルーア被告と知り合い、クラファン詐欺を共謀していた。
■分け前で仲間割れ
募金は期日を迎え、税金を納めた残りの36万7,000ドルは当時マクルーア被告と交際中だったマーク・ダミコ被告の口座へ。カップルは高級車、高級ブランド品を次々と購入し、ラスベガスに旅行してカジノに大金を投じていた。
その後、募金の締め切りから3ヶ月が経つも7万5,000ドル(約993万円)しか受け取れなかったボビット被告が激怒。メディアに事実を暴露したことで警察が事件を把握し、関与した3名を詐欺罪で逮捕した。
■出所後は高額の返済へ
ボビット被告は2019年10月、連邦裁判所から保護観察36ヶ月が言い渡され、25,000ドル(約329万円)の賠償金支払いが命じられた。また、寄付金のマネーロンダリングを図ったダミコ被告も懲役5年の刑が確定し、ニュージャージー州で服役中だ。
そして1月6日、主犯のマクルーア被告に対し懲役3年の実刑判決が下った。うち12ヶ月は、すでにコネチカット州の連邦刑務所で服役している。なお、マクルーアとダミコの両被告は「騙し取ったお金を全額寄付者に返済せよ」と命じられたという。
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(文/Sirabee 編集部・浅野 ナオミ)