亡き妻にそっくりな等身大シリコン人形に大満足の夫 「毎朝髪をとかしてあげる」
妻が「いつもの場所」にいる、そんな雰囲気が男性の心を穏やかにしてくれるそうだ。
長年連れ添った妻が他界し、寂しさに耐えられないと嘆く男性はとても多い。心に開いた穴を何が埋めるのか、どれくらいの月日が必要なのかは人それぞれ違うだろう。
また、ラブドールを手に入れるという話もあるにはあるが、人形は若く、妻とそっくりだという話はあまり聞かない。そんな中、インドから興味深い話題が飛び出したことを『NEW YORK POST』『The Sun』『南華早報』などが報じている。
■コロナ禍で愛妻が死亡
話題になっているのは、インド西ベンガル州のカイカリに暮らす、65歳のタパヤ・サンディリヤさんという男性。2021 年、新型コロナウイルスのパンデミックの最中に妻のインドラニさんを失くしてしまった。
愛妻のいない日々にいよいよ耐えられなくなったタパヤさんは、老いていく自分自身に絶望し、落ち込みが増すばかりだったという。
■特注で人形を制作する業者が
あるとき、オーダーメイドで等身大かつ外見もそっくりな人形を作ってくれる業者を探し当てたタパヤさん。妻と再び一緒に過ごしたいと切望していたタパヤさんは、3,000ドル(日本円で約40万円弱)を支払うことに何らためらいはなかった。
なんと妻のインドラニさんが生前、美術館の彫像たちを見て「あなたは寂しがり屋だから、私が死んだら人形を作ってもらったら」と冗談で提案していたそうだ。
■お決まりのポジションに…
半年ほどかかって、重さ29.9kgのシリコン人形が完成した。不気味なほど愛妻にそっくりな仕上がりに、タパヤさんは大満足だった。
さっそく人形にインドラニさんが気に入っていた服を着せ、お決まりのポジションだった居間のソファへ。メディアには、その長い髪をとかしてあげるタパヤさんの様子も写真で紹介された。
■居てくれるだけで嬉しい
愛する家族が亡くなり、常に座っていた場所から消えてしまったと感じることは大きな喪失感となり、それが長引く原因にもなる。妻にそっくりな人形が「いつもの場所」に居てくれることで、タパヤさんはやっと心の穏やかさを取り戻したそうだ。
インドには、2020 年に自動車事故で亡くなった妻を「蘇らせたい」と同様のシリコン人形を注文した男性もいる。この方法を検討する人は、徐々に増えていくのかもしれない。