毒草の葉が混入したサラダ用ベビーリーフが市場に流通 健康被害はすでに数百件
私たちは、国や生産者を信じて食品を購入するしかない。今一度、食の安全性の確認を強化してほしいものだ。
しらすにフグが混入したり、製造の過程で金属片や髪の毛、虫などが入っていたりと、食品業界では異物混入が稀に起きている。口にする前に異変に気付けばまだしも、食べて体調不良になってからでは遅い。
オーストラリアで今、大きな問題が起こっていることをインドの『Indiatimes』や『NEWS 18』が報じた。
■食の安全が厳しい国なのに
近年、日本でも消費量が増えているベビーリーフ。サラダ用ほうれん草の幼葉である「ベビースピナッチ」はアクや苦味、青臭さがない食べやすさが特徴で、手ごろな値段で販売されているため特に人気だ。
そんななか、食の安全が厳格なことで知られるオーストラリアでこのほど、市販のベビースピナッチにあってはならない異物の混入が確認された。
■ただちに回収の手配
オーストラリア・ニュージーランド食品基準局(Food Standards Australia New Zealand)は、毒草であるチョウセンアサガオの葉が混入したベビースピナッチが、国内のスーパーマーケットに出回っていたことが判明したと発表した。
流通が確認されたニューサウス・ウェールズ州、ビクトリア州、クイーンズランド州ほかのスーパーマーケットにただちに回収の手配をかけたという。
チョウセンアサガオはダチュラやマンダラゲ、キチガイナスビなどの別名もあり、アルカロイドを多く含むため薬用にも用いられてきたが、毒性が極めて強いことでも知られている。
■200人近くが体調不良に
だが18日の時点で、せん妄や幻覚、錯乱、視覚障害、顔色の変化や瞳孔の拡張、心拍数の増加などの訴えが200人近くの消費者から寄せられた。入院した人も含め全員の体調が改善したが、被害の報告は今後さらに続くと予想されている。
なお、生産者はすでに特定されている。ベビースピナッチが栽培されている畑のすぐ脇にチョウセンアサガオが生えており、当局の事情聴取に「誤って一緒に収穫してしまった」と話しているという。
■当局が有害な食品の確認を急ぐ
オーストラリア・ニュージーランド食品基準局のサンドラ・カスバート博士は、この事態に「国と食品規制システムが協力し、早急な解決を目指し、かつ再発防止に努めています」と声明を発表した。
現時点で、除草剤や化学物質などが含まれる有害な食品は一切流通していないことを確認したと、改めて食品の安全を強調している。
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(文/Sirabee 編集部・桜田 ルイ)