性欲が弱い男性は「早死にしやすい」 山形大学の研究論文が米国でも話題に
性欲が強い男性は熟睡でき、心機能や免疫システムが正常、うつや不安と縁がない傾向にあるという。
性的関心の低い男性は早死にする傾向にある…? 山形大学のある研究チームが今月上旬に発表した論文が、このたび『NEW YORK POST』に大きく紹介され、英語圏でも大きな話題になっている模様だ。
■「エッチな男性は生命力も強い?」
話題の論文は、山形大学医学部・看護学科の教授をしている櫻田香氏率いる計9名の研究チームが発表したものだ。
Public Library of Science社によるオープンアクセスの査読付きサイエンス・ジャーナルの『PLOS One』に、12月14日付で論文が掲載された。そのタイトルは『Association between lack of sexual interest and all-cause mortality in a Japanese general population:The Yamagata prospective observational study』というのもだった。
■性欲が弱い男性の死亡率は…
研究チームは、日本国内の2万969人(男性8,558人、女性1万2,411人)を対象に10年以上にわたり調査を実施。肥満度、配偶者の有無、基礎疾患、飲酒や喫煙、運動レベルなどに加え、性的な関心や欲求については調査開始後に対象者それぞれに自己申告してもらった。
その後に死亡した503人について死因と性の関連性を調べたところ、「性欲の弱い男性が早死にする確率は、そうでない男性の1.82倍。40歳以上では、がんで死亡する可能性が1.94倍、心臓病で死亡する可能性が1.36倍高い」という事実がわかったという。
■笑顔や生き甲斐の欠如も
気になるのは、性的関心が低下したと自覚している人は概して飲酒量が多く、過食気味で糖尿病の患者も多いとのこと。笑うことが少なく、あまり生き甲斐を感じていない人、教育水準が低い人も、そうした傾向にあることが判明した。
性欲すら失せるような生活習慣の悪さが基礎疾患につながり、ひいては短命になると考えられる。一方で性的関心が高い男性では、睡眠の質がよく、心機能や免疫システムが正常で、うつや不安と縁のない生活を送っている人が多いこともわかったという。
■女性では差が確認できず
シニアライフにおいてはこれまでも、豊かな性生活が健康や生き甲斐、幸福感につながると度々論じられていた。
なお、女性では男性よりはるかに性欲の低下が見られるといい、しかし死亡率との関連性は見つからなかった。研究チームは、性欲と死亡率の関連性を示すための科学的な根拠を明らかにするには、今後もさらなる研究が必要だとまとめている。
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(文/Sirabee 編集部・浅野 ナオミ)