妻の死を嘆く90代男性に1万5千通超のクリスマスカード 世界から温かい心が届く
愛妻が急逝し、男性は涙をこらえながらクリスマスの飾り付けをすべて取り外してしまった。
毎年クリスマスが近づくに触れ、インターネットではハートウォーミングな話題が増えてくる。
アメリカのある男性のストーリーを『PEOPLE』や『ワシントン・ポスト』が報じ、「どんなに殺伐とした世の中になろうとも、人々の温かい心が変わることはない」と話題を呼んでいる模様だ。
■クリスマスが近づくと…
話題になっている男性は、アメリカ・ロードアイランド州ポータケット市在住のジョージ・ダウリングさん(95)。70年間連れ添った妻のルシルさんを9年ほど前に亡くし、ひどく悲しみに暮れていた。
ジョージさんは毎年、クリスマスが近づくこの時期になるとひどい落ち込みに苦しめられる。ルシルさんの在りし日の姿を思い出し、寂しくてたまらなくなってしまうのだ。
■涙をこらえながら飾りを外す
ルシルさんは、クリスマスにはリビングを美しいデコレーションで飾り、ツリーに華やかなオーナメントを吊るすことを楽しんでいた。だが2013年、それを行って間もなく急逝。ジョージさんは涙をこらえながら、すべての飾りを取り外したという。
翌年からは娘のスーザン・ブリトーさん(64)が飾り付けを行っているが、母ほど上手にはできない。ジョージさんは12月になると、「ルシルがいなくて寂しい」と繰り返したという。
■ついに戻った笑顔
そんななかスーザンさんは数年前、ジョージさんが郵便物を受け取ることを楽しみにしていることを知った。そこでSNSから「寂しがっている私の父に、クリスマスカードを書いていただけませんか?」とお願いしてみたところ、みるみる話題は拡散した。
こうしてジョージさんのもとに昨年末までに届いたカードは、なんと1万3,393通。文章に込められた人々のやさしさに触れ、ジョージさんの表情には笑顔がやっと戻り、クリスマスの大きな楽しみを見つけた様子だった。
■「寂しさは今でも変わらない」
ただし昨年は、それが14枚に減っていた。そこで今年はスーザンさんの娘である孫のシャーリーン・フレッチャーさん(45)も協力したところ、11月28日からわずか1週間で2,265通のカードが届き、ついに累計1万5,500通を突破した。
地元メディアの『WJAR-TV』の取材を受けたジョージさんは、人々への感謝の気持ちを述べるとともに「ルシルは大勢の人を招き、美味しい手料理でもてなしていました。やはり彼女と一緒に過ごしたクリスマスが恋しくてなりません」と話した。何年たってもその気持ちだけは変わらないそうだ。
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(文/Sirabee 編集部・浅野 ナオミ)