冬に美味しい「海のミルク」生牡蠣 食中毒になった経験者は…
生牡蠣を食べてあたった経験者を調べてみたら…。
寒くなると美味しいものが増える海の幸。寒ブリやズワイガニなど、年末年始のご馳走として楽しみにしている人もいるかもしれない。
そして、冬に美味しい海産物といえば、牡蠣。古くから「Rのついた月は美味しい」などと言われ、それに従えば9月(September)から4月(April)までは美味しく食べられるということに。なお、夏は殻がごつごつした岩牡蠣が美味しくなる。
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■内蔵にウイルスを蓄積
「海のミルク」とも呼ばれて栄養豊富、生でもフライにしてもお鍋に入れても美味しい牡蠣だが、一方で「あたる」とよく言われる食べ物のひとつ。水からプランクトンなどの栄養を濾し取る二枚貝は、中腸線という内蔵にウイルスなどを蓄えてしまう習性がある。
カニではカニ味噌にあたる中腸線。生食が一般的な帆立貝や赤貝、青柳などでは取り除いた部分を食用にするが、二枚貝の中ではとても珍しく内蔵ごと生食にする牡蠣。そのため、ノロウイルスなどによって食中毒の原因となる場合があるのだ。
■1割強が食中毒を経験
実際、牡蠣で食中毒になった経験者はどれくらいいるのだろうか。Sirabee編集部が、全国10〜60代男女903名を対象に調査したところ、「生牡蠣にあたったことがある」と答えた人は全体の13.4%。
限られた割合ではあるが、やはりある程度食中毒のリスクはあると見たほうがよさそうだ。
■60代では2割に
経験率のため高齢者ほど高くなる傾向があるが、今回の調査でも最も割合が高かったのは60代で20.7%。10代〜30代では1割程度にとどまった。
近年はオゾンや紫外線でしっかり殺菌・ウイルスを不活化した海水で牡蠣を浄化する技術が進歩していることも、若い世代で少ない理由のひとつかもしれない。
■昨年はわずか1件
厚生労働省の発表によれば、2021年のノロウイルス食中毒の総件数は72件。そのうち、魚介類を原因としたものが4件で、二枚貝によるものはわずか1件。2020年は、99件のうち二枚貝が原因のものは7件だ。「ノロといえば牡蠣」のように恐れるものではないことがわかる。
生食用として殺菌海水などで処理されたものを購入すること、体調が優れないときは生食を避けることなどを意識しながら、冬の味覚を楽しみたい。
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(文/Sirabee 編集部・タカハシマコト)
対象:全国10代~60代男女903名(有効回答数)