アパート屋上で飼育したハトを殺処分しレストランに提供 通報された男に余罪続出
発展途上国では、食の安全や衛生面が不安なレストランが少なくない。
日常的に大変身近な存在であるハト。ゆっくりとした動きで捕まりやすいとも言われているが、インドにそれを悪用した男がいたようだ。あるレストランでとんでもない騒動が起きたことを、『Indiatimes』や『TIMES NOW』が報じている。
■住人からの通報で発覚
このほどインドの大都市ムンバイで、退役軍人のハレシュ・ガラーニさんと名乗る男性から警察に、「住んでいるアパートに怪しい男がいる。すぐに調べてほしい」との通報が入った。
「妖しい男」の正体は、アビシェーク・サワント。通報者が暮らすアパートの屋上で、今年の5月から大量のハトをケージに入れて飼育していた。
■ハトをチキンとして提供
ガラーニさんは、さらに「ハトが成長すると殺処分し、アパートの1階にあるレストランに卸しているという噂がある」と説明。レストランもその肉を「チキン」として偽り、客に提供しているというのだ。
だが警察がサワントに聞き取りを行うと、「ガラーニが嘘をついている」と容疑を全面的に否定した。
■関係者8人を逮捕
そこで警察が同アパートのほかの住人にも話を聞いてみると、彼らもハトを飼育しているサワントとたびたび揉めていたことを明かした。あるジャイナ教徒の住民は、「自分の住む所でそんなことが起こっていたなんて、絶対に許せません」と激怒しているという。
そしてガラーニさんたちは複数の写真やビデオを警察に提供。これが証拠となって、サワントとレストラン経営者を含む関係者8人が逮捕され、アパートへの不法侵入、動物の殺害ほか複数の罪で起訴された。
■ハトの菌は危険
鳥はさまざまな病原菌や寄生虫を保有しており、接触によりオウム病やクリプトコックス症など人獣共通感染症を起こせば、肺炎やインフルエンザのような症状がみられ、最悪の場合は死に至る可能性もあるという。
なお、インドでは平和と愛の象徴であるハトは、昔から尊い生き物として大切に保護されてきた。ハトを殺したサワントたちの罪は、さらに重くなる見通しだ。
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(文/Sirabee 編集部・桜田 ルイ)