乳房で乳児の鼻と口をふさぎ窒息死させた母親が逮捕 「吸いつくのが下手で苛立った」
「できれば母乳で育てたいと努力してきたが…」と、母であり容疑者である女は語った。
このほどアメリカで、生後8ヶ月の娘を授乳中に窒息死させた疑いで20代の母親が逮捕された。同様のアクシデントは母乳育児では稀に発生しているが、警察はある事実から故殺を疑ったという。『KTVU-FOX2』『NEW YORK POST』などが報じている。
■双子が救急搬送される
この事件で逮捕されたのは、カリフォルニア州サンタクララ郡のサンノゼで3人の幼い子供を育てていたセリーナ・フアレス(29)。11月4日、生後8ヶ月だった娘のメラニーちゃんに授乳していたなか、鼻や口をふさいで窒息死させた疑いが持たれている。
メラニーちゃんは双子で、じつはもう1人の娘ザリちゃんも意識を失った状態で病院に搬送された。ザリちゃんは適切な治療により回復を見せているという。
■夫婦ともに育児の苦労を吐露
母乳育児では、母親が漫然とした疲れと睡眠不足に陥り、赤ちゃんに覆いかぶさるようにして寝入ってしまう事故が稀に起きている。しかし、もう1人のザリちゃんが意識を失った原因も窒息が疑われるとわかり、警察はセリーナを殺人および殺人未遂の容疑で逮捕した。
取り調べのなかで、セリーナ容疑者は「育児が大変で私は食事すらまともに摂っていない」と吐露。夫のアルテミオ・フアレスさんも「上には2歳の息子もおり、妻は心身ともに衰弱しきっていた」と擁護した。
■「母乳育児が希望だった」
だが、セリーナ容疑者はその後に「メラニーを抱きしめ、私の乳房で顔を10分間覆うと呼吸が止まった」「ベビーベッドに寝かせる前にさらに2分間、乳房を口に押し込んだ」と話し、犯行を認めた。
犯行の20分ほど後に実家に連絡すると、容疑者の母親が駆け付けてメラニーちゃんに心肺蘇生法を施し、続いて兄が 911番通報に電話したと説明。「できれば母乳で育てたいと努力してきたが、吸いつくのがヘタでうまく飲めない様子に苛立っていた」と話したという。
■「育児を助ける温かい手を」
この事件について親族、友人たちは一様に「セリーナは子供をかわいがる献身的な母親」「子育てで疲れ果て、心神喪失の状態にあったと思う」「必要なのは刑罰ではなく育児を助ける温かい手だ」と訴えている。
検察側と徹底的に争うべきだとして、弁護士や裁判の費用約1万ドル(約135万円)を集めるべく、友人がクラウドファンディングの『GoFundMe』にページを開設している。
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(文/Sirabee 編集部・浅野 ナオミ)