「父の死刑執行を見届けたい」と10代娘が悲願 変わらぬ家族愛を告白
「私にとっては誰より大事な人」と娘は語っている。
殺人事件を起こして死刑を宣告された男が、間もなく処刑される。その最後の瞬間に立ち会いたいと願う10代の娘について、『The Sun』など海外メディアが伝えている。
■警察官を殺害し刑務所へ
2005年のこと、アメリカ・ミズーリ州で暮らしていた警察官が殺害された。凶行に及んだ男(37)は警察官を2度撃った容疑で身柄を確保され、その後に死刑判決を受けて今に至る。
この事件を起こしたとき、男の娘はまだ2歳。そのため一緒に暮らし成長を見守ることはできなかったが、娘とは定期的に連絡を取り合い、顔を合わせることもあった。
■娘との強い絆
電話での会話、手紙のやりとり、そして刑務所での面会を通し、男と娘は家族愛を深めてきた。そうするうちに娘は成長し、少し前に出産。若い母親になり、男にも赤ちゃんを会わせて喜ばせた。
だがこの男については、今月中に薬物を注射・投与する方法で処刑されることが決定している。それを知っている娘は、「ぜひ死刑執行に立ち会って父を見送ってあげたい」と強く望むようになった。
■「父を支えたい」という娘
娘は「もし父が病院で死にかけているとしたら、ベッドの横に座って手を握ってあげたい」「そして父が息を引き取るまで祈ってあげたいのです」と語る。
また「父は私にとっては誰よりも大事な存在」「死刑執行に立ち会うことで父をサポートしたい」と主張し、見送ることで自身の悲しみにも向き合えると訴えている。
なお男も娘の立ち会いを希望しているというが、娘はまだ10代。正式に立ち会う許可を求めてはいるが、今後の見通しは不透明だ。
■娘の願いは叶うのか
現在の法律では、21歳未満の未成年者が死刑執行に立ち会うことは「不可」とされているという。その一方で、アメリカ自由人権協会は娘の立ち会い禁止について、「憲法上の権利侵害にあたる」とコメントしている。
親の最期を見届けたい。その気持ちを理解する人は多いだろうが、処刑による死は病気などによる自然死とはやはり違う。まだ10代の娘が立ち会うことの是非については、意見が割れそうだ。
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(文/Sirabee 編集部・マローン 小原)