シャネル店舗に「クソ物件」の疑惑、一体なぜ… 外階段の仕掛けにツッコミ相次ぐ
毎年盛り上がりを見せるクソ物件オブザイヤー。なぜか「天下のシャネル」店舗に注目が集まっており…。
毎年年末が近づくと俄かに注目を集める、ツイッターユーザー参加型の企画・クソ物件オブザイヤー。現在ツイッター上では、こちらの企画にエントリーされたブランドショップに、ツッコミの声が多数寄せられているのをご存知だろうか。
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■シャネルに付いた不穏なハッシュタグ
今回注目したいのは、ツイッターユーザー・お鯛さんが投稿した1件のツイート。
「シャネルの階段カー」という見出しのついた投稿には、世界的な人気を誇るファッションブランド「シャネル」の店舗外観の写った写真が添えられており、文末には「クソ物件オブザイヤー2022」のハッシュタグが。
パッと見ただけでは「クソ要素ある?」と思わず首を傾げてしまうが、お鯛さんはツイート本文にて「なぜこちらの建物がクソ物件であるか」について、順序立てて解説していたのだ。
■なぜ「クソ物件」なのか…?
ハッシュタグの響きに身構えてしまった人もいるかと思うので、クソ物件オブザイヤーについて簡単に説明しておきたい。
こちらは一定期間内に話題となった住宅・オフィスビル・商業施設・ホテルなど、様々な不動産プロジェクト全般からエントリーを募るイベント。毎年11月になると同イベントのハッシュタグが添えられた、奇想天外な建築物の写真ツイートを見た覚えのある人も多いのではないだろうか。
お鯛さんは元々こちらの企画の運営メンバーで、日頃から変わった物件に解説を入れたツイートを投稿していたそう。そのような経緯もあって、今回エントリーした東京渋谷区「シャネル ビューティ ハウス」の2階につながる「増築された外階段の車輪部分」に興味を覚えたのだ。
お鯛さんは外階段が出現した経緯について「1、2階合わせて店舗として使うとなった際に、店舗の利用者が共用部の他の事務所入居者などが使う階段を使用することを、オーナー側かテナント側かが良しとせず、今回の階段設置に至ったのかと思います」と分析。
その上で「階段を増やす行為は建築基準法的に『増築』となり、増築を行なう場合、基本的には『建築確認』申請という手続きが必要になりますが、この建築確認を出す場合は、基本的には他の部分も現行の建築基準に合致させなければならない部分がでてきます」と、増築時に様々な条件が発生する件について解説してくれた。
つまり、店舗内の様々な部分に「改築」が波及するのを避けるため「階段ではない、あくまでタイヤ付きの階段風な車」を設置することで、前出の「建築確認」時に発生する条件を突破したのでは…というのが、お鯛さんの予想である。
■ぶっち切りで注目集める結果に
「タイヤがついている建物」としてトレーラーハウスも存在するが、これらは「随時かつ任意に移動できる状態で設置すること」などの条件を満たした場合、建築物には該当しない。
しかし前出のシャネル店舗は階段のタイヤがついているものの、タイヤが固定されているため階段は「建築物」と考えられ、お鯛さんは違反物件になるのでは…と疑問を感じ、「クソ物件オブザイヤー2022」へのエントリーを決意したというのだ。
件のツイートには上記の見解をシンプルに纏めた内容が記されており、投稿からわずか数日で1万件以上ものRTを記録するほど話題に。また21日に発表された「RT」「いいね」の合計数は全エントリーの中で首位となっており、改めて注目度の高さが伺える。
この世には「なぜか銀の玉を大量に買い取る古物商」や「浴場での自由恋愛」などのグレーゾーンが存在するが、果たして件の店舗、および階段事情はどうなっているのだろうか。シャネル合同会社、並びに国土交通省、渋谷区に詳しい話を聞いてみると…。