NBAで伝統あるチームのユニフォームが禁止 理由は「広告の邪魔になるから」
広告を合成すると選手の体が消えてしまう? 流行のデジタル広告のとばっちりを受けるNBAチームが話題に。
アメリカのプロバスケットボールリーグNBAでは、あるチームが昔から続くクリーム色のユニフォームの変更を余儀なくされ、その理由について多くの異論が寄せられている。『UniWatch』『socioRep』などの海外メディアが報じた。
■歴史あるユニフォームを禁止
NBAチームの一つであるミルウォーキー・バックスは今年に入ってから、伝統的に続いてきたクリーム色のユニフォームを着用することを禁止されている。
その理由は「広告の妨げになるから」で、現在選手たちは白と緑色の代替ユニフォームを着用。選手やチームのファンをはじめ、多くの関係者が強い不満を表している。
■合成の妨げになる
NBAの試合は、かねてより多くの企業にとって魅力的な広告の掲載先だった。そしてここ数年のパンデミックの間に急増したのが、コート上に表示される「デジタル広告」だという。
これは、コートの床の上や壁面に映像合成で後から広告を追加するというもの。選手の注意を逸らさず、自由に広告が表示できることから、一気にこの手法は広まった。
■選手の体が画面から消失?
しかし、コートに使用されている床の木目とクリーム色のユニフォームがしばしば混同。スクリーンから選手の体が消えてしまうといったトラブルが頻発した。
同じデジタル広告を採用しているアイスホッケーのリーグでも、同様の現象が発生している。しかし特定のユニフォームを禁止したのは、今のところNBAだけだという。
■スポンサーは大事だが…
バックスのユニフォームは、ホーム都市の愛称である「クリーム・シティ」にちなんだものであり、ファンや町の人々からも長年愛されてきた実績がある。
チームのマーケティング責任者は、NBAの対応に失望を表明。地元メディアも「広告主の影響力があるべき範囲を超えて拡大している明確な兆候です」と警鐘を鳴らしている。
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(文/Sirabee 編集部・びやじま)