男性が脚を広げて座るのは仕方ない? 飛行機での迷惑行為を巡り議論が白熱
「脚を開いて座るのは迷惑だ」という人々と、「脚が長いから仕方がない」という人々の間で、議論が続いている。
「マンスプレッディング」という言葉がある。「man(男性)」と「spreading(開く)」をかけ合わせた言葉で、男性が電車などの公共交通機関の座席に、脚を大きく開いて座る行為を指すもの。迷惑行為として、嫌われる傾向にある。
ある女性が、フライト中にマンスプレッディングに遭遇したことをネットで愚痴ると、この行為を非難する声だけでなく、擁護する声も寄せられた。『NEW YORK POST』などの海外メディアが報じている。
■脚を広げて隣に侵入
欧米で人気の掲示板サイト『Reddit』には、「日常で起こった最悪な出来事」を投稿するコーナーがある。そこにある女性が、「今日の4時間のフライトはこんな感じでした」という書き込みとともに、1枚の写真を投稿した。
写真には、飛行機の座席に座っている投稿者の隣で、男性が太ももを大きく広げ、明らかに投稿者のスペースに侵入している様子が映し出されている。彼は携帯電話で動画を見ているようで、投稿者があまりの狭さに通路にはみ出しそうになっているのを、気にもしていないようだ。
■男性を非難する声
投稿者は続けて、「何度か彼に伝えると、脚を閉じてくれました」「でも、知らぬ間にまた開かれているのです」と書き込んでおり、フライト中に窮屈な思いをし続けたことが窺える。
この投稿はすぐに人々の注目を集め、1,200件以上のコメントが集まった。多くの人が「これは最悪だ」「隣に座る人への配慮がなさすぎる」「私の父もこんな感じで、本当に嫌」とマンスプレッディングを非難した。
■一方で擁護の声も多数
その一方で、「私は身長が180センチなので、脚を広げて座らないといけない」「背が高い人間からすると、飛行機の座席の狭さは地獄なんだ」「悪いのはこの男性ではなく、航空会社だ」と、男性を擁護するコメントも多数寄せられている。
マンスプレッディングは「最悪だ」とする人々と、「仕方がない」とする人々の間で議論が白熱している。
■「らしさ」に囚われないで
マンスプレッディングは、「脚が長いから」という理由だけでなく、「男らしい座り方だから」という理由で、無意識に行われることもあるとの指摘もある。
ニューヨークのあるメディアは、2015年に「地下鉄で女性がマンスプレッディングをしたら、どのような反応があるか?」という動画を公開した。男性が脚を広げて座っても何の注目も得なかったのに対して、女性の開脚座りは多くの視線を集め、その姿をこっそりと写真に収める乗客までいたという。
世界中で、こうした「男らしさ」や「女らしさ」といった枠組みを捨てて、「ありのまま」を大切にする風潮が高まっている。身体の性質を尊重し、誰もが快適な社会を築くことが求められているようだ。
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(文/Sirabee 編集部・広江おと)