事故後の昏睡から覚めた記憶喪失になった男性 妻に再び恋してプロポーズ
人生の半分の記憶を喪失してしまった夫。しかし妻は希望を捨てず寄り添った。
交通事故などで頭を強打してしまうと、外傷の他に脳機能のダメージが心配される。このほどアメリカ・バージニア州で、男性が昏睡状態から目覚めるも、30年分の記憶を失っていることがわかった。そして彼は…。心温まる夫婦の話題を『PEOPLE』が報じている。
■バイク事故で重傷を負う
話題の夫婦は、バージニア州に暮らすアンドリューさん(58)とクリスティさん(54)のマッケンジー夫妻。今年6月19日、「父の日」を娘の家で皆に祝ってもらった帰り道、ふたりを乗せたオートバイは車と衝突した。
脳震盪を起こし、体中のあちこちを骨折した夫妻は揃ってヘリで州立バージニア大学附属病院へ。治療はなんとか成功したが、18メートルほど跳ね飛ばされたアンドリューさんは昏睡の状態が続いた。
■結婚37年の妻を忘れる
ついにアンドリューさんは眠りから覚めたが、看護師の質問に「今は1993年です」と回答。19 歳と16歳で恋に落ち、1985年に結ばれて以来37年間ずっと連れ添ってきた妻のクリスティさんのことも忘れ、退院と同時にどこの家に帰ればいいのかと困惑していた。
彼が人生の半分の記憶を失っていることに担当医も大変驚いたが、それは夫を心から愛していたクリスティさんを誰よりも落胆させた。
■隣のベッドから愛情を伝える
クリスティさんは「私のベッドをもっと夫のベッドに近づけてほしい」と懇願し、医師と看護師はそれを受け入れてくれた。その後のクリスティさんは、たびたびアンドリューさんの手を握りしめ、キスもしてあげた。
両親が元の関係を取り戻せるよう祈っていた娘のローレライさん(31)とアマンダさん(30)はずっとやきもきしていたが、ある瞬間に奇跡が起きた。アンドリューさんが、目の前の3人の女性が自分の妻と子であることを思い出したのだ。
■砂浜で人生2度目の…
車椅子や歩行器での生活を覚悟していた夫婦だが、8月下旬に退院し、リハビリを経て自分の足で歩けるように。そして8月29日、親族一同でノースカロライナ州のアウターバンクスへ旅行に出た。
その砂浜でアンドリューさんは突然ひざまずき、クリスティさんに人生2度目のプロポーズ。「君がそばにいてくれなかったら、今の僕はいなかったよ」と感謝の気持ちを伝えた。
夫婦は「再び命をもらったような私たち。今後は2人の娘と孫たちのために生きていきたいです」と話している。
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(文/Sirabee 編集部・浅野 ナオミ)