子犬2匹が購入後1週間でそろって病死 悪質ブリーダーとは音信不通に
物言わぬか弱い動物たち。しかし、「儲かればいい」という悪質な業者やブリーダーが増えている。
コロナ禍の今、空前のペットブームが起きている。個体の値段は以前に比べ数倍にも跳ね上がり、購入時に加入する保険や各種サービスも料金はべらぼうに高い。
そんななか、どうしても出現するのが「質より量」と考える悪質な業者やブリーダーだ。ペットにまつわる悲劇の話題を、『AsiaOne』や『mothership』などが報じている。
■コーギーの子犬2匹を購入
昔から犬が大好きだったというシンガポール在住の女性は、オンラインで子犬が販売されていることを知り、ウェブサイトを覗いてみた。
そこに掲載されていたウェルシュ・コーギーの子犬に一目惚れし、さっそく販売元に連絡。10月21日、6,400シンガポール・ドル(約67万円)で2匹を購入した。ところが27日に子犬たちが到着するやいなや、女性は予想外の不備に気が付いた。
■店員からショックな指摘
女性は、子犬の輸送費のほかにマイクロチップとドッグフードを含む料金を支払っていたにもかかわらず、どちらも送られてこなかった。
業者に連絡をすると「明日にも届きます」と言われ、女性はフードを買いに子犬を連れてペットショップへ。そこで店員から、子犬たちの皮膚に何らかの異常が起きていることを教えられたという。
■みるみる病状が悪化
その翌日、子犬たちの症状は悪化。下痢が続いたうえ口から泡を吹き、みるみる弱っていった。獣医師のもとへ連れて行くと、動物の消化器官に影響を及ぼすパルボウイルスに感染していることが判明した。
なす術もなく、購入から1週間足らずで2匹は死んでしまった。女性は事情を伝えようと業者に連絡してみたが、彼らは一切の責任を負わない、返金や補償は行わないと主張。その後も連絡を試みたが、間もなく音信不通になったという。
■密輸の可能性
女性はただちに警察に通報。現在は動物保護団体も介入し、調査が続けられている。
近年、シンガポールでは似たようなケースがたびたび発生しており、悪質な販売業者は子犬をマレーシアから密輸している可能性が見えてきたという。
動物保護団体の代表者は、「正規のペットショップやブリーダーでない人物や、怪しい業者、それにオンラインからの購入は絶対にしないでください」と呼び掛けている。
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(文/Sirabee 編集部・桜田 ルイ)