PTA代行に「その発想はなかった」絶賛の声続出 気になる反響を聞いてみると…
面倒なイメージの多いPTAを「代行」してくれるサービス。気になる実態は…。
「PTA役員制度滅びればいい」「PTA嫌だな…」──。学校内外で行われるPTA活動に対して、ネット上ではネガティブな反応を示す人が多い。
だが、面倒なイメージのあるPTAを「代行」してくれるサービスがあって…。
■5つのサービスを「代行」
今年8月、大手旅行会社の近畿日本ツーリストが「PTA代行サービス」を始めた。正式名は「PTA業務アウトソーシング」。
同社の公式ホームページを見ると、「代行」してくれるのは次の5つ。「広報誌などの印刷やデザイン、封入作業などの印刷・デザイン」「PTA専用ページの開設などのWEBサイト作成」「行事の受付のお手伝いや事務作業などの人材派遣」「学校行事やPTA主催イベントの企画運営、ライブ配信などのイベント関連」「講演会や特別授業を実施する出張授業・学習支援」と、PTA活動の中でも特に敬遠されがちなサービスをしっかりとカバーしている。
■「その発想はなかった」
この画期的サービスに対して好意的な反応が多い。ネット上では、「こういう取り組みもっと進めてほしい」「PTA業務を外部化する発想はなかった」「子供絡みの人付き合い苦手だからすごくいいと思う」「委託できるものは委託でお願いしたい」など、絶賛する声が多数あがっている。
「PTA代行サービス」が始まって約3ヶ月経ったが、どれほど反響があったのだろうか。近畿日本ツーリストを統括するKNT─CTホールディングスに取材したところ、「意外な裏側」が明らかになったのだ…。
■「PTA代行」を始めた理由
そもそも、なぜ「PTA代行」を始めたのだろうか。「弊社はもともと修学旅行をはじめとする教育旅行に強みをもっております。教育旅行をお手伝いする中で、旅行以外の部分でも教育現場のお役に立てるのではないかと考えました。特にPTA業務においては、必ずしも教員や保護者の方が担う必要がないのではないかと感じ、それらに対してグループ会社のネットワーク(人材派遣、印刷事業、イベント企画事業など)も活かすことができるため本サービスを立ち上げました。立ち上げに際し、PTAを経験してきた社員から負担が大きいと感じた作業についてヒアリングを行い、サービスのメニュー化の参考にしております」(KNT─CTホールディングス)。
「必ずしも教員や保護者が担う必要はないのでは?」という考えは、PTA内で活動している人にとっては案外盲点だったのではないか。修学旅行という学校行事に関わりつつも、「第三者」だからこそ得られた発想だったのかもしれない。
■問い合わせが多いのはやはり…
実際に利用した人からの声を尋ねると、実際に業務を開始したのは10月末からのためまだ具体的な意見は得られていないとのこと。だが、問い合わせの多いサービスがあるようで…。
「人材派遣(行事・イベントの受付など)やイベントのお問い合わせが多いです。PTA規約の修正や、その英訳など事務作業のご相談もございます」(前出・KNT─CTホールディングス)。
今後、「PTA代行」が当たり前になる日が来るかもしれない。
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(取材・文/Sirabee 編集部・斎藤聡人)