ロシアの動員令に喜ぶ母親たち 金銭問題抱えて「逃げた元夫」が原因
養育費を支払わない元夫に妻がブチ切れ。残された借金を返済するために夫の情報を軍に提供した。
ロシアのプーチン大統領の出した部分的動員令は多くの国民からの反発を招いているが、一部の「働かない元夫」を持つ女性たちにとっては、苦境を脱するための「吉報」になっているようだ。『Business Insider』『Beamstart』などの海外メディアが報じている。
■軍からの給料で借金を…
イリーナさんという仮名の女性は、自分と子供を捨てて出ていった元夫に代償を支払わせるため、ロシア軍関係者に情報を提供した女性の一人だ。
彼女は「プーチン大統領が(動員令の)演説をした直後、私の元夫が戦争に行けば、裁判所から隠すことのできない口座に給料が支払われ、借金を返済できるだろうという考えが浮かんだのです」と語っている。
■元夫の呆れた素行
イリーナさんが女性のための調査機関ヴェルスツカに対して語ったところによると、結婚後、夫のアルコール問題に悩まされ続けていたという。
さらに金に困った夫が自分や両親から貴金属を盗んだため、離婚を決意。しかし、離婚を申請した後もイリーナさんの名義で勝手にローンを組まれ、数百万円の借金を残された。
その後は、数多くの裁判手続きにもかかわらず、元夫は何年にもわたる養育費と慰謝料の支払いを拒み続けているそうだ。
■同じ境遇に置かれた女性たち
プーチン大統領の動員令と軍事費の支払いが、生活を良い方向に導くのではないかと考えている女性は自分だけではないと、イリーナさんは語る。
彼女たちはオンラインコミュニティ上で同じ境遇の仲間を集めており、「私たちはチャットで集まり、お互いをサポートし、経験や情報を共有しています」「メンバーは現在、70人います」と述べた。
■すっかり冷え切った愛情
SNSでは「同情の余地はない」「ひどすぎるクズ夫」など夫に批判的なコメントが多い一方、「元夫を戦地に送る罪悪感はないの?」といった反応も寄せられている。しかし、ヴェルスツカが話を聞いた別の女性の反応は、「私にとって、元夫は人としてずっと前に死にました」と冷淡だ。
また別の女性は「夫は40キロ離れた場所に住んでいますが、4年間一度も息子と連絡を取ることさえしません」「夫が戦場で死ねば、少なくとも息子を彼の墓に連れて行くことはできます」と、元夫への心境を告白している。
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(文/Sirabee 編集部・びやじま)