サイゼリヤの新業態「スパゲッティマリアーノ」 すべての店舗が閉店していた…
サイゼリヤのパスタ専門のファストフード店。いまどうなっているのか調査すると…。
19日、サイゼリヤが12月下旬に香川県へ出店することを発表した。四国地方の出店は初となる。安くておいしいサイゼは今後、ますます店舗を拡大していくだろう。
一方で、6年前にオープンした新業態の「スパゲッティ マリアーノ」には”異変”が起きていて…。
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■低価格パスタが人気
「スパゲッティ マリアーノ」はファストフード型のパスタ専門店だ。2016年に東京・茅場町で「Spaghetti Mariano(スパゲッティマリアーノ)日本橋茅場町店」としてオープン。
カルボナーラやペスカトーレ、ボロネーゼなどのパスタにサラダ・ドリンクが付いたランチセットを税込み500円(16年当時)で提供するという”サイゼらしさ”を発揮。低価格路線がウケたのか、18年までに「芝浦シーバンスビル店」、「秋葉原末広町店」、「竹橋パレスサイドビル店」「大崎ブライトタワー店」など計5店舗にまで拡大した。
ただ、ここ数年は新しくオープンしたという話を聞かない。いま、「マリアーノ」はどうなっているのだろうか。
■5店舗すべて閉店していた
1号店である「茅場町店」に行くと、看板がなくなっていた。窓には「2022年8月28日(日)をもちまして、閉店することになりました」という張り紙が…。(茅場町店は20年11月に「マリアーノ」から「ミラノ食堂」に業態を替えていた)
近隣の店舗スタッフに聞くと、ランチタイムはサラリーマンなどで賑わっていたそうだ。それなのに、なぜ閉店したのか…。そんな疑問を抱きつつ2号店の「芝浦シーバンスビル店」へ向かった。
こちらも今年8月27日で閉店。お店の外側にはまだ看板が残っていた。
他の3店舗も調べてみたが、すべてなくなっていた。「竹橋パレスサイドビル店」は今年8月27日で閉店、「秋葉原末広町店」は閉店時期は不明だがすでに空き店舗になっており、「大崎ブライトタワー店」も同店が入るマンションの中の飲食店一覧が載った看板から消えていた。
一体なぜお店はなくなったのだろうか。「マリアーノ」に行った客や近隣の店舗スタッフに話を聞いたところ、意外な「裏側」が見えてきたのだ…。
■客や近隣のスタッフに話を聞くと…
5店舗に共通しているのがオフィス街に位置していること。サラリーマン層をターゲットにしているのだろう。
「竹橋パレスサイドビル店」で食事した30代の男性はこんな感想を述べる。「味も値段も文句なしです。サイゼのパスタのワンランク上という印象ですが、敷居が高くなく女性1人でも入りやすいと思います。ただ、このビルには他にも安いカレー店や定食店が多いので競争率が激しかったのかもしれません」(30代の男性)。
たしかに、他の店舗でも周りをハンバーガー店やラーメン店などに囲まれていた。「芝浦シーバンスビル店」近隣の店舗スタッフは、ここ数年の動向も関係しているのではないかと語る。
「20年は出社しない会社が多くなったり、緊急事態宣言等の影響もあってどの飲食店もお客さんが減っていました。マリアーノに限らず、この数年で閉店したお店は多いですよ」(「芝浦シーバンスビル店」近隣の店舗スタッフ)。
■他のパスタ専門店も…
サイゼは20年2月にパスタ専門店「伊麺処(パスタドコ)」を浅草に開業している。同年6月には新宿オークタワーに2号店をオープンするなど、コロナ禍でもパスタ事業に注力していた。
この2店舗にも足を運んだが、浅草店・新宿店共に閉店していた。浅草店はすでにそば店になっており、新宿店はビルに入る会社や飲食店を記載した看板には残っているが店舗はなかった。
近隣住民に話を聞いたが、こちらも客入りは悪くなかったとのこと。コロナやウクライナ情勢で原材料価格が高騰する中、「安くておいしい」料理を提供し続けるのは簡単なことではないのだろう。
とはいえ、四国にも出店するなど苦しい状況でも挑戦し続けるサイゼであれば、さらにパワーアップしたパスタ専門店を出してくれるはずだ。
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(取材・文/Sirabee 編集部・斎藤聡人)