140年前のジーンズに1000万円以上の高値 廃棄された坑道で見つかる
庶民の服がたった100年で貴重なお宝に? 鉱山労働者の使っていた古いジーンズに、宝石以上の価値がついた。
使われなくなった坑道の中から見つかった140年前のリーバイスのジーンズが、ヴィンテージのジーンズマニアが集まるオークションで1,000万円以上の高値をつけ、人々を驚かせている。『CNN』『CTV News』などの海外メディアが報じた。
■落札価格は1,300万円
このジーンズは、「デニム考古学者」を名乗るマイケル・ハリスさんによって、アメリカ西部の廃坑で発見された。1880年代に、ジーンズブランドのリーバイスによって製造されたものだ。
その後、今年の10月1日にアメリカ・コロラド州で開催された『デュランゴ・ヴィンテージ・フェスティバス』のオークションにて、8万7,400ドル(約1,300万円)でヴィンテージ衣料品のディーラーの手に渡った。
■市場でも希少なモデル
ジーンズを購入したカイル・ハウパート氏によると、この年代のリーバイスはオークションに出ることが少なく、コレクターの間では特に人気のあるモデルだという。
また、今回発見されたものはまだ着用可能な状態にあり、鉱山労働者が使用したろうそくの飛沫が付着している。その他にも、この時代に作られたジーンズ特有の注目すべきデザインが含まれている。
■当時の政策の名残も
現代では見ない特徴の一つとして、ジーンズの内側には「白人労働者によって作られた唯一のモデル」と書かれたラベルが付いている。
これは人種差別が横行していた時代に、中国人労働者がアメリカに入国することを禁じた1882年の「中国人排除法」の名残だ。リーバイスはこの時期、反中国の労働政策を支持していたことを認めている。
■庶民の衣類から転じてお宝に
またハウパート氏は、19世紀のリーバイスのジーンズは定期的にオークションで注目を集めており、高値がついたのは今回が初めてではないと述べた。実際に2018年には、1893年製のジーンズが約10万ドルでアジアのバイヤーに売却されている。
もともとが庶民のための衣料品であったことを考えると、ヴィンテージジーンズはこの100年間でもっとも価値を高めた製品の一つとも言えるだろう。
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(文/Sirabee 編集部・びやじま)