陣痛が始まった妊婦が放置され死産 産院は医療過誤裁判へ

もしも放置されなければ、赤ちゃんは死なずに済んだ可能性が高いという。

2022/10/09 05:45

妊娠・妊婦・出産・分娩

陣痛が起きているにもかかわらず、妊婦を放置していた産院。赤ちゃんを死なせてしまった責任はあまりにも重いとして、イギリスの夫婦が産院を訴える準備に入ったようだ。『Manchester Evening News』に続き、『Metro』も報じている。


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■付添いを断られた夫

そのアクシデントは2020年5月、イギリス・グレーターマンチェスターのコールドハースト地域にあるロイヤル・オールダム病院で起きた。

ロッチデールのエイミー・ハリソンさん(30)は陣痛が起きたため、出産と入院の準備を整えて産院に入った。夫のジェイミーさんも赤ちゃんとの対面を楽しみにしていたが、新型コロナウイルスのパンデミックで付き添いを断られてしまった。

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■放置された妊婦

陣痛が強くなるなか、あるときから赤ちゃんが動かないことが気になりだしたエイミーさんは、何度もスタッフに「確認してください」とお願いした。しかし「2時間前に異常がなかったのだから大丈夫」と、あしらわれるだけだった。

午後 11 時、スタッフの誰も様子を見に来ないまま周囲は真っ暗に。翌朝、エイミーさんは別のスタッフに、改めて「赤ちゃんの動きが止まっていて不安です」と告げた。それでやっと各種のモニターが体にくくりつけられ、超音波検査が始まったという。

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■青ざめたスタッフたち

スタッフの誰もが青ざめ険しい表情になり、エイミーさんは医師から「残念ながら赤ちゃんは死亡しているようです。帝王切開で取り出します」と告げられた。

死産となった赤ちゃんは女の子でハーパーちゃんと名付けられ、死因について詳しい検査へ。並行して2つの組織が医療過誤の調査を行い、「もしも放置されなければ赤ちゃんは死なずに済んだ可能性が高い」と結論付けられた。


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■カルテに記載漏れ

陣痛の間隔が短くなってきたためにエイミーさんは病院に入院していたが、あるスタッフの勘違いにより、カルテにあるべき「分娩室に搬送の予定」「心拍数の確認」という記載がなかったことも後に判明している。

病室に入ることを許されなかったジェイミーさんは、わが子を腕に抱くこともエイミーさんを慰めることもできなかった。夫妻はついに提訴に踏み切ったが、病院側は「こうした不幸な事故を二度と繰り返さないように、スタッフの再教育を行う」と話している。

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(文/Sirabee 編集部・浅野 ナオミ

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