家族の死を受け入れず「昏睡」と主張した妻 18ヶ月にわたり遺体を自宅で保存
いつかは息を吹き返す。家族はそう信じていたようだ。
あまりにもつらく悲しい、大事な人との永遠の別れ。それを受け入れることができなかった家族が、遺体を長いあいだ家で保管していたことを、『The Indian Express』などインドのメディアが伝えている。
■30代男性の死
2021年春のこと、新型コロナウイルスの感染拡大が極めて深刻だったインドで、当時35歳の男性が死亡した。
死因は、両側性肺炎。死亡診断書などもすみやかに作成され差し出されたが、遺族は「きっと目を覚ます」と信じ、男性の死を受け入れなかった。
■「目覚める」と信じた遺族
遺族のうち、特に妻については精神的にずいぶん不安定だったもよう。男性の遺体はどんどん腐敗が進んだが「昏睡状態に陥っているだけ」と信じ、“聖水”のような液体を遺体に振りかけることもあった。
男性の同僚たちも事実は知らず、ずっと出勤再開を待ちわびていた。心配して連絡することもあったが、妻たちは「調子が悪い」と言うばかりで事実を明かすことはなかった。