自動車用品店で「男性店員を出せ」と性差別する客が… 店員の対応に賞賛
言葉による差別だけでなく、賃金や昇給の面でも不平等が存在するケースもある。
職場での男女差別は少なくなってはきているが、完全になくなったとはまだまだ言えないのが現実だ。特に自動車産業では、男性のほうが女性よりも車に詳しいと思われがちだという。
こうした状況のなか、自動車用品店で性差別的な発言をした高齢者への従業員たちの華麗な対応が、『boredpanda』などの海外メディアで紹介され話題になっている。
■自動車用品店でよくある要求
あるネットユーザーが掲示板サイト『Reddit』に投稿したところによると、事の始まりは初老の男性客が女性店員に対して「男性店員を連れてきてくれ」と言い出したことだった。
投稿主である男性は、大手の自動車用品店で働いていた。その店では男女の店員が同数いたにも関わらず、「車のことは男性のほうが詳しい」と思い込んでいる客が多く、女性店員はしばしば「男性と代わって」と頼まれていたという。
■7年の経歴よりも性別を重視
その日も、男性店員を連れてくるように言われた女性店員は、投稿主である男性のところまで来て客の相手をするよう頼んだ。
この女性店員は店に7年以上勤めており、対して投稿主は入社してたったの3ヶ月だった。当然ながら、女性店員のほうが店のことや車について詳しい。そのことを客に説明もしたそうだが、問答無用で「男の店員」を要求したという。
投稿主はこれを「最低だ」と感じ、その客を少し懲らしめることにした。
■男性店員たちの企み
投稿主は女性店員とともに客のところへ戻り、何が必要か尋ねた。客の説明を一通り聞いた投稿主は、困惑した表情で「彼女がその分野のエキスパートだから、彼女に聞いてみて」と伝えた。
客がイライラした様子で「ではもう1人男性を連れてこい」と言うと、こっそり会話を聞いていた別の男性店員がその場に現れ、客に何を探しているか再度説明させた。
そしてその男性店員も「ああ、それなら彼女がよく知っているから、彼女に聞くといい」と女性店員を指差し、去ったという。結果、客は渋々ながら女性店員の助けを借り、店内の他の誰とも話をせずに帰っていったそうだ。
■多くの人が職場での性差別を共有
この話が投稿されると、「素晴らしい」「懲らしめてくれてありがとう」などと、投稿主に対する賞賛が寄せられた。
同時に、「私も農機具メーカーで働いてた時に同じことを言われた」「妻は植物学の学士号を持っていたにも関わらず、いつも店で男性を出せと言われていた」と、多くの人が職場で遭遇した性差別的な体験を共有した。
どの分野にも、性別に関わらず優秀な人材が職に就いている。性別や見た目ではなく、能力で判断する習慣を養う必要があるだろう。
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(文/Sirabee 編集部・広江おと)