『サメのかぞく』聞かされ続けた受刑者が死亡 刑務所のやり方は「拷問」と非難
子供向け楽曲『サメのかぞく』はなぜ嫌がらせに使用される? 刑務官の非道を訴えた受刑者が死体で発見された。
拘置所の中で、子供向けの楽曲『サメのかぞく』を繰り返し聴かせることは「拷問」だとして看守に訴訟を起こしていた受刑者が、死亡した状態で発見された。『Newsweek』『Daily Mail』などの海外メディアが報じている。
■収監された3日後に死亡
ジョン・バスコ(48)は11日の早朝、オクラホマ郡拘置所の独房の中で反応がない状態で発見された。駆けつけた刑務官が蘇生措置を行ったが、意識が戻ることはなかったという。
バスコは3人の元刑務官に対する訴訟に関わっており、死亡する3日前に麻薬密売の容疑で拘置所に入れられた。彼の弁護士は「バスコは不可解な状況で死亡した」として、警察に徹底的な調査を要求している。
■刑務所を相手に訴訟中
バスコと他3人の受刑者は昨年、刑務官2人に対して、手錠をかけられた状態で何時間も『サメのかぞく』を聞き続けることを強要されたと主張していた。
また、前任の副所長もこの慣習を知っていながら何もしなかったとして、この3人とオクラホマ州の行政委員を相手に訴訟を起こしている。
■なぜ「拷問」に使われる?
『サメのかぞく』はサメのお父さんやお母さん、赤ちゃんなどについて歌った幼児向けのポップソングで、YouTubeで110億回以上再生されている人気の楽曲だ。
しかし、高すぎる知名度が災いしたのか、この曲を他人への嫌がらせ目的で使用する人物や団体は後を絶たない。過去には刑務所内で受刑者を相手に延々とこの曲を聞かせたり、国会前に居座り抗議をするデモ隊に向けて爆音で再生されている。
■裁判は今も進行中
囚人たちに曲を聞かせていた刑務官は解雇され、副所長はすでに引退している。しかしバスコの弁護士が「拷問事件」と表現するこの事件の裁判は、いまだに進行中だ。
現時点ではバスコがどのように死亡したか詳しい原因は明らかではなく、州の主任検死官が死因特定のために調査を行っているという。
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(文/Sirabee 編集部・びやじま)