屋内禁煙になって2年… 「孤独になった」「マナー悪い」喫煙者から”悲鳴”

会社、飲食店、コンビニ…。あらゆる場所で禁煙になったことで喫煙者は苦労していて…。

2022/09/07 04:15

禁煙

2020年4月から飲食店や事業所など様々な施設で原則屋内禁煙になった。最近は屋外でも「禁煙」の文言が掲げられた場所が多い。

タバコが吸える場所が激減する中、喫煙者からは「悲鳴」があがっていて…。

【写真】喫煙者から見ても悪化した「マナー」


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■20年から原則「屋内禁煙」

「禁煙社会」になったのは、18年7月に健康増進法が可決・成立したことに端を発する。望まない受動喫煙の防止を図るため、多くの人が利用する施設で一定の場所を除き喫煙を禁止することになったのだ。

同法は20年4月から全面施行され、飲食店や事務所、コンビニなど様々な施設で原則屋内禁煙に。「屋内禁煙」になって2年経ったが、50代の喫煙者男性はため息をつく。

「私の会社では、社内に喫煙スペースが設けられていましたが、今は撤去されてしまいました。タバコを吸うには一度外に出て、プレハブ小屋のような小さな喫煙所に行かなければなりません。コロナ禍で三密防止のため人数制限があるので、外には行列ができています。一本吸うのに以前の倍以上時間がかかりますよ…」(50代喫煙者男性)。

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■「吸う度に孤独感」

仕事の合間の一服にも一苦労だが、こんな場面でも「やりにくさ」を感じるという。

「以前は、居酒屋でお酒を飲みながらタバコを吸っていましたが、今は会が終わった後か、一度外に出て吸わなければなりません。また、最近はタバコを吸わない人が多く、私の周りではやめる人も増えているので、昔のように喫煙所で同僚と一服しながら雑談するというのもできなくなりました。最近はタバコを吸う度に孤独感を味わいますよ(笑)」(前出・50代喫煙者男性)。

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■喫煙所の人達の表情は暗く…

喫煙所

「屋内禁煙」はもちろんだが、屋外で吸える場所も減っている。9月初旬、新宿駅西口前のパーテーションで囲まれた指定喫煙所に行くと、狭い喫煙スペースに次々と人が入っていた。

喫煙所

入り口には、「人との距離を1メートル以上あける」「会話はしない」など、コロナ感染防止のためのルールが書かれた張り紙があった。心なしかタバコを吸う人達の表情は固く、一服してリラックスしているようには見えなかった。

仕事で様々な土地を訪れることが多い40代の喫煙者男性はタバコが吸える場所を見つけるのに苦労すると話す。

「屋外の喫煙所はコロナで閉鎖されていることも多いので、ドトールやベックス、プロントなど喫煙室完備のチェーン店を見つけるようにしています。特にルノアールは鉄板で、愛煙家の最後のオアシスです(笑)。ただ、ここ数年で紙巻きタバコ禁止のお店が増えたので、吸えても加熱式タバコだけというところも多く、紙巻き勢にとっては地獄かもしれませんね…」(40代喫煙者男性)。


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■喫煙者のマナーが悪化

秋葉原

前出の40代喫煙者男性は、ここ数年で喫煙者のマナーが悪くなった印象を受けると話す。「コインパーキングに勝手に入って吸う人がかなり増えました。紙巻きタバコをポイ捨てする人もよく見かけます。紙巻きタバコと加熱式タバコが同時に吸える喫煙所では、吸える場所が不足していることもあって人が密集しています。灰皿までの距離が遠いため、床に灰を捨てる人までいます。床に置いていた私のリュックサックが灰で白くなったこともありましたよ」(前出・40代喫煙者男性)。

秋葉原

たしかに、路上で吸い殻をポイ捨てしたり、歩きタバコをする人が増えた気がする…。今回の調査の結果、コロナ禍と重なったこともあって喫煙者は屋内でも屋外でも苦労していることがうかがえた。

だからといって、ルールを破ればますます喫煙者にとって生きづらい社会になる。吸いたい時に吸えないストレスもあるかもしれないが、一人一人がマナーを守った行動を心がけてほしい。

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(取材・文/Sirabee 編集部・斎藤聡人

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