ポルトガルで巨大恐竜の骨格が出土 全長約25メートルのブラキオサウルスと推定
「大型恐竜の骨格が、これほど良好な保存状態で出土するのは珍しい」と、調査の責任者は話している。
ポルトガルで2017年、恐竜のものと思われる巨大な骨格が発見された。ヨーロッパでこれまで発見されたうち、おそらく最大級のものだろうとして専門家の調査が始まり、ここまでの調査結果がやっと発表された。『Mirror』『CBS News』など欧米のメディアが伝えている。
■周辺では化石が頻繁に出土
23日、リスボン大学理工科学校(Faculty of Sciences of the University of Lisbon)の研究チームが、発見された恐竜の骨格についてここまでの調査結果を発表した。
ポルトガル・ポンバルのある民家の裏庭で建設作業が始まるにあたり、住人が発掘調査を行ったところ、10フィート(3メートル)もある骨らしきものを発見。専門家のいるリスボン大学理工学校に連絡した。ポンバル界隈は、以前よりたびたび化石が出土しているという。
■巨大さに誰もが驚愕
調査には、スペインの古生物学者も参加した。恐竜の骨であることは間違いないとされるなか、今年の夏には1週間ほどをかけ、背骨や肋骨など、現時点で可能な限りの重要な骨格部分が掘り起こされた。
恐竜の種類は「ブラキオサウルス」である可能性が濃厚で、体高は39フィート(11.8メートル)、尻尾も入れた全長は、驚くことに82フィート(24.9メートル)と推定されるという。
■骨格全体を集める作業へ
リスボン大学理工学校の博士研究員であるエリザベテ・マラファイアさんは、メディアの取材に「出土した骨格は調査が済めばきれいに洗浄され、いずれは博物館に展示されるでしょう」と語っている。
出土の状況からみて、周辺も調査すればその恐竜の骨格全体を集めることが可能だろうといい、来年も引き続き発掘作業を行うとしている。
■ブラキオサウルスとは
ブラキオサウルスは、草食で非常に長い首と尾が特徴。ジュラ紀後期から白亜紀前期にかけ、今から1億6,000万~1億年前に生息していたと考えられている。
マラファイアさんは25日、アメリカのCBSニュースの取材に「大型恐竜の骨格が、これほど良好な保存状態で出土するのは珍しい」と述べた。環境に大きく左右されるため、当時の気候や、タフォノミクスという死骸を囲んでいる土のなかの微生物の研究においても、興味深いものがあるようだ。
■民家の裏庭から出土した恐竜の骨格
🎯Dinossáurio saurópode de grande porte descoberto. 👌Campanha de escavação na jazida paleontológica de Monte Agudo realizada por investigadores do @IdlLuiz e do @biouned e da Facultad de Bellas Artes da @unicomplutense Notícia em https://t.co/hOOARUYl2w pic.twitter.com/TkSTCPzYBR
— Ciências ULisboa (@FC_UL) August 23, 2022
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(文/Sirabee 編集部・浅野 ナオミ)