中国教育省が教科書の「不適切」なイラストに激怒 出版社社長ら関係者27人を処罰
スカートめくりや国旗の間違いが原因? ネット炎上した教科書に、中国教育省が厳しく対応した。
中国教育省が、算数の教科書に記載されたイラストが「悲惨なほど醜い」ことを理由に、教科書の出版社の社長たち27人を処罰したと発表した。『Global Times』『Bloomberg』などの海外メディアが報じている。
■イラストがSNSで炎上
問題となった算数の教科書は、約10年前に政府系の人民教育出版社から出版され、全国の小学校で使用されていた。今年5月になり、中国のSNSであるWeibo(微博)に挿絵のイラストが掲載されると、瞬く間に多くの人の知るところとなった。
当初は大部分の人がイラストを面白がっていたが、一部の人たちはこれが中国に不名誉をもたらすと考え、共産党や教育省に批判の矛先を向けていたという。
■セクハラ描写や国旗に問題?
SNSに公開され、問題視されたイラストの中には、男子が女子のスカートを引っ張ったり、胸をつかむような仕草をしているものもあった。では、性的に不適切な内容だけが問題だったのかというと、イラストには足に入れ墨を入れた子供などもおり、一概にそうとは言えないようだ。
さらに、星条旗柄のシャツを着ている人物や、中国の国旗が誤って描かれているものも含まれていた。こうしたさまざまな理由で、当局の怒りを買ったと推測される。
■「美しくない」と批判
中国教育省は22日に出した声明において、数ヶ月にわたる審査の結果、その教科書は「美しくない」ものであることが判明したと述べた。
また、一部のイラストは「悲惨なほど醜い」ものであり、「中国の子どもたちの明るいイメージを適切に反映していない」と主張している。
■関係者に厳重処分
さらに教育省によると、出版社の社長を含む27人が「義務と責任を怠った」ために罰を与えられ、編集長と数学部の編集室長が解任されたという。
イラストレーターへの処分の詳細は伏せられたが、「今後、彼らに教科書のデザインや関連する仕事の機会が与えられることはないだろう」と声明は伝えている。
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(文/Sirabee 編集部・びやじま)