気象予報士がドラマ『NICE FLIGHT!』を考察 超レアな気象現象も…
玉森裕太さん演じる倉田粋は「ツイてる」と話題です。描かれている気象現象はどれだけレアなのか? まとめてみました。
■羽田空港の霧も超レア
次に注目したのは、羽田空港の霧です。第1話では、羽田に発生した霧が着陸に影響を与えるシーンもありました。(第1話は気象シーンが多くて個人的に興奮しっぱなしでした)
(北海道羅臼町で発生した霧。2022年8月26日 @Runninzin)
羽田空港で霧が発生するのは、今では10年に1回くらいの頻度です。特に2~4月が可能性があります。東京湾の海水温度と気温の差が小さくなったときに、海上で発生した霧が移流する形で海側にあるD滑走路を覆うと、離着陸への影響が発生するパターンが多いそうです。
■第3話では「バードストライク」
第3話では鳥と航空機の衝突、「バードストライク」が描かれました。
バードストライクが起こった場合、航空機へのダメージチェックを各社の整備担当が実施するとともに、空港の運用担当者が滑走路上に鳥の死骸がないかどうかの確認をするので、「滑走路閉鎖」が発生します。急な閉鎖の場合には、着陸やり直し(ゴーアラウンド)が発生することもあります。
羽田空港では、年間100件前後のバードストライクが発生しており(内閣府「平成20年度交通事故の状況及び交通安全施策の現況」より)、羽田の霧と比べると発生回数が多い現象です。このとき、倉田副操縦士は、乗務していませんでしたね…。
■第5~6話では「機種」が話題に
第6話では、B787という新しい機種に乗務するための移行訓練を受ける倉田の姿が描かれています。第6話の冒頭で、真夢が「パイロットって1人1機種しか操縦できないんですよね、操作ミスを防ぐ安全上の理由から。」と解説してくれていましたね。
航空会社によっては計器やシステムが類似している機種に限って2機種乗務を行っているケースもあるようですが、当然機種が違えば大きさ、飛行感覚、手順などに相違があります。2機種乗務を行っているパイロットの皆さん、すごいですね。
これからドラマ内では、787に乗務する倉田の姿が見られるのでしょうか?
また、スピンオフドラマ『NICE CONTROL!』第2話では、玉城ティナさん演じる河原かすみが気象予報士の勉強を始めていました。 Snow Manの阿部亮平さん演じる夏目幸大が、気象予報士の勉強を教える姿も描かれるのでしょうか。こちらも今後の展開が楽しみです!
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(取材・文/Sirabee 編集部・千種ゆり子)