刑務所の中庭で囚人たちがゴーカート YouTubeで知った担当大臣がブチギレ
事前に許可は得ていたのに「アウト」? 仏刑務所で開催されたイベントがSNSで大炎上中。
フランスの刑務所内で、リアリティ番組に触発されたゲームが行われた。司法省は現在、その理由を説明するよう国民に迫られているという。『The Guardian』『WDC TV』などの海外メディアが報じた。
■刑務所で大規模イベント
フランスで2番目に大きいフレンヌ刑務所で、囚人たちが中庭でゴーカートやさまざまなミニゲームに挑戦するイベントが催された。
その様子を収めた動画がYouTubeにアップされた直後、同国では司法省を巻き込み、大きな論争が勃発しているという。なお動画は、現在では非公開になっている。
■司法長官が激怒
法務大臣のエリック・デュポン・モレッティ氏はツイッターで、この映像を「ショッキング」と表現している。騒動の影響を受け、動画は法務省の通信部門によって事前に承認されていたにも関わらず、大臣はイベントについての内部調査を命じたという。
また、野党議員のエリック・シオッティ氏は「刑務所は、囚人と警備員が友情の絆を結ぶための休日のキャンプ場ではありません」と批判している。
■刑務所長が擁護するも…
多くの批判を受けながらも、同刑務所の所長であるジミー・デリステ氏は、このイベントが囚人たちにとっての「友好の機会」であったと擁護した。また市民の税金は一切使われておらず、さらにはチャリティーのために1,700ユーロ(約23万円)を稼いだとも主張している。
一方で、法務大臣はSNSで「再犯との闘いには囚人の更生が含まれますが、ゴーカートは含まれていません」とこれを厳しく糾弾した。
■世間の反応に困惑
フレンヌ刑務所内で行われたゲームは、フランスの人気リアリティ番組『Les aventuriers de Koh-Lanta(ランタ島の冒険者たち)』を参考にしたものだという。
映像の制作に関わった独立系プロデューサーのエンツォ・アンジェロ・サント氏は、司法省の厳しい態度に困惑気味のようだ。「我々はきちんと許可を取り、すべてが承認されていたことは明白です」「司法省と対立する意図は一切ありませんでした」と弁明している。
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(文/Sirabee 編集部・びやじま)