着陸態勢時にパイロット2名がそろって居眠り 旅客機が目的地を通過する事態発生
大勢の命を乗せている飛行機。パイロットたちは責任感のある仕事をしてほしいものだ。
機体が乱気流に巻き込まれたりしたとき、乗客はパイロットをはじめとする乗務員たちを信頼し、すべてをゆだねるしか術はない。
ところがこのたびエチオピアの旅客機で、そんな信頼が裏切られるトラブルが起こったようだ。『Metro』や『CNN』などの海外メディアが報じている。
■飛行は順調だったものの…
問題の旅客機は、エチオピア航空のET343便。15日にスーダン・ハルトゥームにあるハルトゥーム国際空港から、エチオピアのアディス・アベバにあるボレ国際空港に向かった。
高度3万7,000フィートを順調に飛行していた同機は、目的地に近付くと「この先、着陸態勢に入ります」というアナウンスが流れた。乗客は誰もが着席し、シートベルトを締め着陸を待っていたという。
■パイロットらは居眠り
だが、空港の管制官は同機のコックピット・クルーと次第に音信不通に。なんと機長と副操縦士はそろって居眠りしており、不安を感じた管制官は何度もコンタクトを試みた。
その後、自動操縦だった同機は高度を徐々に下げつつ目的地の空港へ接近。そこで自動操縦がオフになり、手動に切り替わった瞬間にけたたましくアラームが鳴り響き、ふたりは飛び起きたという。
■飛行は不安定な状態に
パイロット2名は、そこからあわてて着陸を試みたものの失敗。再び高度を上げ、約25分後、2回目にしてやっと着陸に成功した。ケガ人は報告されていない。
飛行ルートが確認できるフライトレーダーによれば、同機がボレ国際空港の周辺で8の字を描くように不安点に飛行していたことがわかったそうだ。
■深刻なパイロット不足と過労
この件に関し、航空アナリストのアレックス・マチェラス氏が「今に始まったことではない。近年の深刻なパイロット不足による慢性的な過労は大きな問題」とツイートしている。
かつて管制官の仕事をしていたというユーザーからも、「信じられないかもしれないけれど、実際に度々あった」との書き込みがなされた。
パイロットは多くの乗客の命を預かっている。世間からは「今すぐ彼らを解雇して!」という声のほかに、「乗務員の勤務スケジュールの見直しや改革を」という声も相次いでいるようだ。
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(文/Sirabee 編集部・桜田 ルイ)