日高屋、ついに値上げも「中華そば390円」のまま ”感動的理由”があった…
日高屋が苦渋の値上げに踏み切った。それでも中華そばの値段は変わらず…。
8月は身の回りのあらゆるものが値上げし、気分が落ち込んでいる人も多いだろう。26日より、これまで価格を据え置きにしていた日高屋も値上げする。
人気メニューの値段が上がる中、同店の中華そばは390円のままだ。このメニューの価格を変えないのには、「ある理由」が…。
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■リーズナブルな価格を貫く
日高屋は、東京、埼玉、千葉、神奈川を中心に400店舗を展開する中華料理チェーン店。リーズナブルかつ、おいしい料理を提供することでファンも多い。
4月末で麺類の大盛りが無料になる「モリモリサービス券」が配布終了となったが、それ以降も価格を変えることはなかった。今回の値上げは、日高屋としても苦渋の選択に違いない。
同店の値上げ発表に対して、ネット上では「日高屋が値上げとはこの世の終わりです」「日高屋値上げは泣いた」「むしろ今までよく踏ん張ってた」「値上げしてからも俺は通い続ける」など、ファンから様々な声があがっている。
■値上げ幅は10~50円
今回の値上げにより、餃子6個が230円から250円、野菜たっぷりタンメンが490円から550円、ニラレバ炒め定食は680円から710円(いずれも税込み価格)など、人気メニューの価格が変わる。しかし、いずれも10~50円の価格改定にとどめたのだから驚きだ…。
多くのメニューが値上げする中、価格が変わらないものがある。中華そばが390円のままなのだ。
中華そばも、原材料価格高騰の影響は受けているはず。同メニューの価格を据え置くのはなぜなのか。日高屋の本社であるハイデイ日高に尋ねたところ、「感動的理由」が明らかになったのだ。
■本社に問い合わせると…
ハイデイ日高によると、「看板メニューであり、長年親しまれているお客様もたくさんおられるので、中華そばの価格は据え置きにさせていただく努力をしました」とのこと。やはり多くの人にとっておなじみのメニューになっていることが大きかったようで…。
「長らく390円という価格で提供させていただいております。昔、学校帰りや部活動終わりに友達と食べたものが、大人になった時も同じ値段であるというイメージを守りたかったところがあります」(前出・ハイデイ日高)。たしかに、記者が週1ペースで通っていた10数年前の大学時代もこの値段だった。「変わらない良さ」を大切にしようという企業努力なのだろう。
■中華そばの魅力
日高屋で中華そばを食べたことがない人のために、僭越ながら金欠時代何度もお世話になった記者が同商品の魅力を簡単に伝えたい。
具材は、チャーシュー、ねぎ、海苔、メンマとシンプル。
スープは動物系の出汁に加えて、カツオのような魚介の香りが効いている。やや脂が多めで、あっさりすぎずこってりすぎずのちょうどいい塩梅だ。
麺は半透明でつるっとした食感でクセがない。スープを一口飲むと「やっぱりこれだよな…」と思う。何度食べても美味しいと感じる不思議な魅力があるのだ。
多くのメニューが値上げになったのは残念だが、老若男女問わず愛されてきた中華そばの価格を維持した日高屋の「企業努力」は多くの人に伝わるはずだ。
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(取材・文/Sirabee 編集部・斎藤聡人)