『24時間テレビ』深夜の「お色気企画」はなぜ消えた? ”意外な理由”があった…
ひと昔前は深夜の名物だった「熱湯風呂」企画。この企画には紆余曲折あって…。
27日から28日にかけて『24時間テレビ45 愛は地球を救う』(日本テレビ系)が放送される。今年は、嵐の二宮和也率いる『ジャにのちゃんねる』のメンバーがメインパーソナリティーを務める。
『24時間テレビ』といえば、深夜に女性タレントがテレビの前で生着替えをして、熱湯風呂に入る「お色気企画」を思い浮かべる人も多いだろう。ただ、ここ数年は実施していなくて…。
■80年代の番組がきっかけ
「お色気企画」の”発祥”は、1980年代に放送されたビートたけしが総合司会を務める『スーパーJOCKEY』(日本テレビ系)で行われていたもの。何かをテレビで宣伝したい人達がルーレットで入浴者を決めて、熱湯風呂に入った時間(最大30秒)だけ宣伝できる企画だ。
宣伝する人は目隠しカーテンの中で水着に着替え、制限時間が過ぎると着替え途中でも問答無用でカーテンが落ち、”事故”を防ぐためのタオルが投げ込まれる。女性タレントがテレビの前で生着替えをし、水着姿になることを楽しみにしていた男性も多いのではないか。
■18年から実施されず…
同番組が99年に放送終了したことで長らく「生着替え企画」は実施されなかったが、2005年の『24時間テレビ』で「スーパーJOCKEY同窓会」として一夜限りの復活を果たした。その後、09年まで同番組の深夜枠で行われるようになった。
だが、10年から16年までは休止状態となり、深夜帯はトーク企画を行うことが多くなった。17年の深夜枠の『有吉反省会』で8年ぶりに熱湯風呂企画が復活し、葉加瀬マイが挑戦したことで話題に。
翌年には、SKE48の須田亜香里が熱湯風呂に入る一幕もあったが、それ以降は実施されていない。
■「お色気企画」が消えた背景
なぜ「お色気企画」は消えたのだろうか。あるテレビ局関係者は、時代の変化が大きいと指摘する。
「2000年代後半からBPO(放送倫理・番組向上機構)がテレビにおける性的・暴力的な企画に対して厳しくなったことが要因の一つではないでしょうか。ひと昔前に比べると、『24時間テレビ』にかぎらず、どのテレビ局も女性がテレビで過度に肌を露出させるのを控えるようになっています。また、SNSが発達したことで、視聴者が意見を伝えやすくなったことも大きいです。生着替え企画を良く思わない人もいるので、万が一”放送事故”が起きてしまったら炎上するリスクもありますよ」(テレビ局関係者)。10年から16年にかけては、「自粛」していたのだろうか…。
■「復活」に対して賛否両論
実際「時代の変化」は顕著に感じられる。17年に「お色気企画」が復活した際、ネット上では賛否両論だったからだ。
「番組の主旨とは全く関係ない企画」「こういうことは他の番組でやってもらいたい」「チャリティーを謳う番組でやることじゃない」など、否定的な意見が見受けられる。もちろん、「24時間テレビ夜中の生着替え楽しかった」「昔の自由なテレビ局みたいな演出で良いと思うよ」「熱湯コマーシャル復活うれしい」という好意的な意見も多数上がっている。
前出のテレビ局関係者は、しばらくこういった企画は扱いにくいのではないかと推察する。「ここ数年、世の中がコロナやウクライナ情勢等で明るい雰囲気とは言い難いです。『24時間テレビ』に限らず、テレビ局はひと昔前には当たり前だったことも簡単にはできない傾向にあります」(前出・テレビ局関係者)。
今年の『24時間テレビ』のテーマは『会いたい!』。難しい時代になったが、テレビを見ている人を笑顔にさせてくれる番組になっているはずだ。
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(取材・文/Sirabee 編集部・斎藤聡人)