高額献金や霊感商法はアメリカでは相手にされず 信者猛反発で牧師が謝罪
用意された台本を読み上げての謝罪に、世間からは「心がこもっていない」という声も。
日本では今、人の心の弱さにつけこむカルト教団や霊感商法の実態が次々と明らかになり、大変な物議を醸している。一方でアメリカは、「たたり」の話など非科学的だと鼻で笑う人ばかりだ。
そんななか、ミズーリ州のある教会でロクでもない霊感商法を試みた牧師がいた。『Fox News』『NEW YORK POST』ほかが興味深い話題を伝えている。
■「自分は偉大なる予言者だ」
その騒動は、ミズーリ州西部のカンザスシティにある「ザ・ウェル教会(Church at The Well Kansas City)」を舞台に起きた。
カールトン・ファンダーバーク牧師はあるときから「自分は偉大なる預言者だ」と言うようになり、約1年前にはMOVADO(モバード)製の腕時計を買うためだとして、信者に献金を求めた。腕時計の価格は300~3,000ドル(日本円で約4,000~40万円)だという。
■信者に「この貧乏人ども」
教会は無宗派で妻と共同で設立していた。信者には牧師夫妻への忠誠心があったが、誰もが「そんな無意味な献金に協力する必要はない」と無視していた。
1年たっても腕時計のための献金が集まらない様子に腹を立てたファンダーバーク牧師は、今月7日の集会で信者を「私の言う通りにすれば幸せになれるのに、破産でもしたのか、この貧乏人どもが」と罵倒した。
■信者は猛反発
ファンダーバーク牧師はさらに「私はプラダ、グッチやルイ・ヴィトンにも値するというのに、マクドナルドやロブスターを買うようなお金を、この私に差し出せないのか」と信者を非難。一方の信者は、牧師は派手な暮らしや富に目がくらんだ偽善者だと批判し、教会から離れていった。
人の心の弱みに付け込みながら、「~しないからたたりが起きる」「これを買えば家族全員が健康でいられる」といった非科学的なことを言う霊感商法は、どうやらアメリカでは通用しないようだ。
■動画を公開も「心がこもっていない」
そうなると教会の運営は成り立たなくなる。困ったファンダーバーク牧師は信者に謝罪するための動画を撮影し、17日にはFacebookで公開した。
自分の考え方の誤り、無礼さ、信者への敬意や慈しみの心に欠けていたことなどを詫びた牧師だが、用意された台本を読み上げる様子には「心がこもっていない」と、さらに批判的な声もあがっている。
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(文/Sirabee 編集部・浅野 ナオミ)