『ロッキン』中止で桑田佳祐本人が最も悔しい理由 なおも絶えない人気を考察
過去の「ロッキン」出演の消化不良からのリベンジ予定も…。桑田佳祐の進化はとどまるところを知らない。
■なおも進化する桑田
振り返ってみると、その後のソロアーティスト桑田の活躍ぶりもめざましい。東京オリンピック民放共同企画のテーマソング『SMILE〜晴れ渡る空のように〜』で改めて地位を確立するのかと思いきや、昨年の桑田にはよりウケた曲がある。
『Soulコブラツイスト〜魂の悶絶』という劇団ひとり監督・脚本の『浅草キッド』の主題歌だ。『ヨシ子さん』で攻めた後に王道でウケるのは、『TSUNAMI』のときのような感覚もなくはない。
■明るさの裏の渋さ
SUBARU『フォレスター』CMソングの『炎の聖歌隊 [Choir(クワイア)]』も、一見、ただのお洒落な王道ソングのようでありながら、じつは、日常的な日本語でコロナ禍の人々を労う歌詞のギャップが素敵な作品。さらには、ユニクロと桑田のタイアップが1年を越えて行われている。
■さらなるリベンジへ
以上のように、ここにきてなおも進化が衰えない桑田がソロでいかに「ロッキン」と向き合うかが注目されたのだが、惜しくも出演が叶わない結果となってしまった。
来年はサザンの45周年の節目を再び迎え、桑田ソロというわけにはいかないだろうが、再びサザンとしてこの想いを翌年の「ロッキン」にぶつけるしかないのではないだろうか。
桑田本人こそが最も悔しいに違いなく、その悔しさを「ロッキン」に限らず、どう昇華させてくれるのか。ぜひとも、コロナを無事乗り越え、みせてもらいたいものだ。
・合わせて読みたい→きゃりーぱみゅぱみゅ、『ロッキン』参加者にメッセージ 「私のライブは…」
(文/メディア評論家・宮室 信洋)