ウガンダ政府がLGBT権利団体に活動停止命令 批判とともに賛否両論も
人々から寄せられたコメントが、アフリカの性的少数者の生きづらさを物語っている。
ウガンダ政府が国内の著名なLGBT権利団体に活動停止の処分を下したことで、国際機関などから非難の声が寄せられている。一方で同性愛嫌悪の色が強いアフリカの国々からは、喜びの声が上がった。
ウガンダに住むLGBTコミュニティが直面する苦境を、『BBC』や『The Guardian』などの海外メディアが報じた。
■LGBT団体に活動停止命令
アフリカ大陸の東側に位置するウガンダで、LGBT権利団体「セクシャル・マイノリティ・ウガンダ(スマッグ)」が同国政府によって活動停止を言い渡された。
スマッグは約20年前に設立され、ウガンダに住むLGBTの人々の医療サービスへのアクセスを促進したり、彼らがありのままで生きられるようにと、さまざまなキャンペーンを行ってきた。
■同性愛が終身刑になることも
アフリカの多くの国々では、性的マイノリティに対する風当たりが非常に強い。ウガンダでも、2013年には「同性愛禁止法」が可決され、同性愛者間の性行為やLGBTに関する団体の活動が違法となった。最悪のケースでは、終身刑が課されることもあるという。
そのような厳しい状況下で粘り強く活動を行ってきたスマッグが、突然活動停止処分となったことで、同国のLGBTコミュニティにとって大きな後退となると考えられている。
■「名前が適切でない」と政府は主張
ウガンダ政府は処分について、「スマッグが当局に活動登録を届け出していないことが原因だ」と説明した。
これを受けて、スマッグの代表者は「活動登録を政府に提出しようとしたら、名前が適切でないとして届け出を退けられた」と反論。さらに「ウガンダ政府は、LGBTの人々が憎まれるように仕立て上げ、政治的支持を獲得しようとしている」と主張した。
■「強く非難」と「よくやった」の声
この報道に多くの国際的な機関や人々が反応し、「ウガンダ政府の行いを強く非難する」「スマッグの活動停止は、ウガンダ市民に対する不当な攻撃だ」「ウガンダ政府は、LGBTの人権も平等に尊重する必要がある」と、政府に対して厳しく批判する声を寄せた。
一方で、アフリカの人々からは「アフリカの人々に、欧米の奇妙な文化の受け入れを強いるな」「アフリカの国全部で、こういう団体の活動を禁止にしよう」といったコメントが寄せられ、アフリカでLGBTの団体が活動することがいかに難しいか物語っているようだ。
ウガンダ含むアフリカの国々が、LGBTコミュニティに対して今後どのように振る舞うのか、世界中が注目している。
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(文/Sirabee 編集部・広江おと)