レジ袋有料化から2年、エコバッグ普及も… 買い物客からは「怒りの声」
レジ袋が有料化して月日が流れた。買い物をしている人に話を聞いてみると…。
■レジ袋辞退率は上がった
2020年7月、政府がレジ袋の有料化を全国の小売店に義務付ける制度を導入した。スーパー、ドラッグストア、コンビニなどで、これまでは無料でもらえたプラスチック製のレジ袋が2~5円で販売されるようになった。
スーパーマーケットなどの業界団体「日本チェーンストア協会」によると、全国のスーパーでのレジ袋辞退率は2021年度で80.26%だったという。導入当初は困惑する声も多かったが、2年経ったいまエコバッグは身近な存在になったのだろうか。
都内のコンビニやスーパーに足を運び、買い物客に話を聞くことにした。
■コンビニではほとんどの人が…
7月下旬、コンビニで買い物をする客を見ると、10人中8人が袋を使わずエコバッグやカバンに会計を済ませた商品を入れていた。40代の女性客に話を聞いた。
「コンビニでは飲み物やお菓子など、何品か買うくらいなので袋はもらっていません。有料化するまではこのくらいの買い物でも当たり前にもらっていたので、意識するきっかけにはなりましたね」(40代の女性客)。
ただ、苦労することもあるという。「お店の人に袋が必要か聞かれて『いらないです』と言っても渡されてしまうことがあるんです。コロナ禍でお互いにマスクをして、客と店員の間にビニールシートがあるので声が聞き取れないのかもしれません。でも、後から『いりません』と言うとお店の人の手間が増えてしまうのでそういう時はやむを得ず払ってしまいます(笑)」(前出・40代の女性客)。
■怒りの声も…
8月初旬、都内のスーパーを訪れると10人中6人がエコバッグを使用していたが、レジ袋を使っている人も見受けられた。レジ袋をもらっていた50代の女性客に理由を尋ねると、「最初はエコバッグを使ってましたが、定期的に洗濯するのが面倒で数ヶ月でやめてしまいました。何よりレジ袋は家の中のちょっとしたゴミをまとめるなど、生活の色んなところで役に立つのであったほうが便利です。レジ袋をもらわないと、ゴミを捨てる袋を買いにいかないといけませんよね? 以前のように無料で袋をもらうほうがずっと便利でしたよ」と怒りをにじませる。
一方、エコバッグを使っていた40代の男性客は、「持ち手がしっかりしてるから運びやすいですね。レジ袋だと2リットルのペットボトルとか重いものを入れた時に手や腕に食い込んで痛かったからこっちのほうがいいですね」とメリットを口にする。
■2年経って分かったこと
だが、前出の40代男性客は有料化に対してこんな厳しい指摘も。「私もその1人ですが、エコバッグを使っている人がみんな環境に対する意識が高くなったわけじゃないと思います。1円でも節約したいから使っているんです。政府には『国民の環境への意識が変わった』と思わないで欲しい。これ以上、プラスチックのものが有料化したらたまったものじゃないですよ」(前出・40代の男性客)。
今回の調査の結果、2年経って買い物の際にエコバッグを持参する人は着実に増えていることが分かった。一方で、店員とのやり取りが増えることや手間を感じる人がいることも忘れてはならない。
誰もが「楽しくかっこよくセクシー」に感じる世の中になるにはもう少し時間がかかりそうだ。
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(取材・文/Sirabee 編集部・斎藤聡人)