観光客を怒鳴り行進で子供を踏み… イギリス女王の厳格な警備に賛否
仕事に忠実な英雄か、冷酷非道な悪人と見られるか。その賛否は分かれそうだ。
バッキンガム宮殿の近衛兵が観光客を大声で怒鳴りつける動画がアップされ、注目を集めている。エリザベス女王の華麗な邸宅を舞台に頻繁に巻き起こる不毛な論争を、『Metro』や『Mirror』などの海外メディアが報じた。
■近衛兵の馬に触ろうとした女性
イギリス・ロンドンにあるバッキンガム宮殿に常在している近衛兵たちは、女王の警護を担う重要な役割に就いている。赤い服に熊の毛皮の帽子をかぶった美麗な制服や、伝統を厳しく守って規律正しく仕事をする姿が、観光客にも大人気だ。
イーサンさんという男性とその家族も宮殿を観光し、イーサンさんが義母の写真を撮ろうとした時に騒動は起こった。馬に乗った近衛兵の側でポーズを決め、馬の手綱に手を伸ばす義母。馬はうろたえてその手から逃れようとするが、それでも義母は粘り、手綱を掴んだ。
■一部始終をアップロード
その様子を馬の上から見ていた近衛兵は、「女王の警備から離れろ! 手綱に触るな!」と大声で怒鳴り、驚いた義母は胸に手を当ててすごすごと退散した。
この一部始終を撮影していたイーサンさんは、動画をTikTokにアップロードし、「二度とロンドンには行かないだろう」とタイトルをつけて宣言した。
■同情の声はほとんど見られず
動画はネット上で拡散され、大きな話題を呼んだ。ほとんどの人はイーサンさんと彼の家族に同情する気はないようで、「ディズニーランドじゃないんだから、仕事をしている人や生き物を勝手に触るべきじゃない」「二度とロンドンには行かないだろうだって? 二度と行くな」と辛辣な意見が寄せられている。
動画の内容を確認したイギリス国防省は、「動物は予測不可能で、噛むこともあるため、馬に近づきすぎないでほしい」と警告した。現在、動画はイーサンさんのアカウントから削除されている。
■子供を踏みつけ行進も
警備に厳格なイギリスの近衛兵と、好奇心旺盛な観光客の間にはトラブルが尽きない。半年前には、2人の近衛兵が行進をしている行く手を小さな男の子が遮ったが、「真っ直ぐ進め」という命令を下されている兵たちは少年を避けずにそのまま突進し、倒れた少年は踏みつけられた。
この様子もネット上で拡散され、「さすがに子供を蹴って放ったらかしは厳しすぎる」「邪魔になっている子供が悪い」と賛否の声で議論が白熱した。
猛暑の中で長袖の服と毛皮の帽子を身につけて、屋外で勤務にあたる近衛兵たち。さらに人気の観光ポイントとはいえ、毎日写真を撮られてSNSで拡散されることも含め、常に気が抜けない仕事のようだ。
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(文/Sirabee 編集部・広江おと)