科学者が猫を「侵略的外来種」とみなし物議 愛猫家からは抗議の声も…
猫の手にかかる鳥は年間1億羽以上? 侵略的外来種の条件を「100%満たしている」と科学者が主張。
ポーランドの科学研究所が「猫」を「侵略的外来種」に分類したことで、多くの国民から反発を招いているという。『AP News』『Washington Post』などの海外メディアが報じた。
■猫が侵略的外来種に
ポーランド国営科学研究所の生物学者であるヴォイチェフ・ソラーツ氏は現在、少し前までは予想もしなかった苦境に立たされている。
研究所が運営する野生動物保護のためのデータベースに、一般的なイエネコの学名である「Felis Catus」を侵略的外来種として登録。すると、愛猫家たちを含む多くの国民から、反発の声が上がったのだという。
■愛猫家はこれに抗議
人々の間では、研究者たちが飼い猫や野生の猫を安楽死させようとしているといった誤情報が広まり、愛猫家からは研究所に対して抗議の声が上がっている。
『The Happy Cat』という本の著者であるドロタ・スミンスカ氏は、野生動物が死亡する原因の多くは、環境汚染や大都市の建造物にあると主張。その上で、「人間は侵略的外来種のリストに加えられていますか? 猫には不当に大きな責任が課せられています」と不満を漏らした。
■猫の手にかかる鳥の数は…
一方でソラーツ氏は、猫が狩りによって殺す鳥や哺乳類の数を考えると、猫は生物多様性に有害な影響を与えるという認識を共有するべきであると反論している。
そして、ポーランドでは猫が毎年約1億4,000万羽の鳥を殺しているとして、侵略的外来種リストに加えるための条件を「100%満たしている」と述べた。
■これまでにない反発
研究所は声明で、侵略的外来種のリスト入りはEUのガイドラインに沿っていると主張。「動物に対するいかなる残虐行為にも反対している」と強調した。
ソラーツ氏によると、リストにはすでに1,786種もの生物が登録されているが、これほどまでに強い反発を受けたのは今回が初めてだという。また「私は犬を飼っていますが、猫に対して特別な感情はありません」とも付け加えた。
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(文/Sirabee 編集部・びやじま)